舞台 英国ロイヤル・オペラ・ハウス版 「兵士の物語」


兵士の物語chirosukeはアダム・クーパー主演の「兵士の物語」を観てまいりました。

英国ロイヤル・オペラ・ハウス版 「兵士の物語」
2015年8月2日(日)13:30~
東京芸術劇場 プレイハウス
http://www.parco-play.com/web/program/soldier/
音楽:イゴール・ストラヴィンスキー
原作: アファナシェフ
脚本: ラミューズ
演出・振付: ウィル・タケット
「キャスト」
兵士: アダム・クーパー
王女: ラウラ・モレーラ
悪魔: サム・アーチャー
ストーリー・テラー: アレクサンダー・キャンベル
上演時間 65分(休憩無し)
座席は S席 I列 中央ブロック上手通路側
12,000円

chirosukeの感想は・・・
まず劇場に入った途端びっくり!
いつもの芸術劇場がとっても豪華なオペラハウスみたいになってました。
小さめのオーケストラボックスまでできている~!
chirosukeの座席はI列でしたが、座席のA列~E列部分までが舞台になっている為、chirosukeは4列目でした。
とても良い席でした。

舞台はバレエのようなお芝居のようなミュージカルのような不思議な世界です。
登場人物は4人です。
アダム・クーパーは語って演じて踊って、とても魅力的でした。
王女役のラウラ・モレーラさんは、英国ロイヤルバレエのプリンシパルです。
とても優雅で上品に踊ったかと思うと、コケティッシュな演技がとても怪しくてかわいくて、すごい表現力だと思いました。

この人とアダム・クーパーの踊りは素晴らしいです。
すっ・・・リフトされるんですが、いつ持ち上げたんだ?と思うくらい高く美しい。
ハイジャンプしても着地で音がしない!
chirosukeはバレエの表現がこんなに繊細なのかと、改めて感動であります。
腕のカープ、指先、顔の表情、しなる身体はコトバなんか必要ないくらい雄弁です。

台詞は英語で、舞台の両端に日本語字幕が表示されます。
chirosukeの中学英語でもお話しの筋は理解できました。

物語は、ひとりの兵士(アダム・クーバー)が、休暇をもらい、故郷の母に会いに行く場面から始まります。
現れた悪魔にふとしたことで魂を奪われてしまいます。
彼は心(ヴァイオリン)を悪魔に渡し、かわりにお金や物、すべてを手に入れることが出来る本を手に入れます。
悪魔の家に滞在し、楽しい3日間を過ごしたはずが、実は3年経っていました。
奪われたのはヴァイオリンではなく時間だったのです。
故郷の婚約者もすでに別の人に嫁ぎ子供もいる、母親も彼を死んだと思い込み受け入れてくれません。
自棄になった兵士はこの本で大金持ちになり、ある国の王女を妻にします。
ここで一度は悪魔をやり込めます。
悪魔は「国境を超えない限り、俺はお前たちに手を出せない」と言い残して退散します。
絵にかいたような幸せな日々が続きますが、いつしか兵士の心は満たされなくなります。
貧しかった兵士時代の生活が懐かしく、故郷の母親と暮らす別の幸福も忘れられない。
悪魔の警告を無視して、彼はお姫様とふたりで自分の生まれ故郷の村を目指します。
故郷の土を踏もうと、まさに国境を越えんとした途端、悪魔が現れます。

こんな話を4人の登場人物が複数の役を軽やかに演じ分け、ストラヴィンスキーの音楽に乗って幻想的に進んでいきます。

この舞台のウリは「SINGIN’ IN THE RAIN~雨に唄えば~」のアダム・クーパーがこの夏 日本に戻ってくる!でありました。
chirosukeは「SINGIN’ IN THE RAIN~雨に唄えば~」を観ています。
とても楽しい舞台でした。
(SINGIN’ IN THE RAIN~雨に唄えば~については2014年11月21日のブログをみてね)

「兵士の物語」は確かに「SINGIN’ IN THE RAIN~雨に唄えば~」のアダム・クーパー主演です。
でも物語は全くベツモノであります。
「SINGIN’ IN THE RAIN~雨に唄えば~」は観終わったあと、楽しい気持ちになりましたが、「兵士の物語」は違っていました。

国境を越えたとたん、二人は現れた悪魔の手に落ちてしまうんです。
このシーンの悪魔はめちゃ怖いです。
裸のような衣装、下半身は毛むくじゃらでchirosuke涙目・・・。
お姫様は悪魔に蹂躙され、兵士は地獄の業火の中に突き落とされてしまいました!
chirosukeは「えええっ!悪魔に負けですかぁぁぁぁ?」とさらに涙目。

ここで舞台は終わり・・・。
客席からは大拍手であります。
アダム・クーパー、ラストはこてんぱんじゃないですかぁ・・・。
chirosukeはこのラストに軽い衝撃を受けてました。
舞台は素晴らしかったので拍手~!
気づいたら周囲は殆どスタンディングオベーションであります。
chirosukeは「ただの兵士が、たまたま悪魔に騙されて最後は負けてしまった」という不条理に納得できないまま、立ちそびれてしまいました。

「兵士の物語」は舞台美術、音楽、演技、演出ともに素晴らしかったです。
ですが「物語」のラストにどんよりしてしまったchirosukeであります。
ロシアの 民話を元にした台本らしいです。
兵士が悪魔に翻弄されながら、最後は悲劇的な 結末へ向かうお話でした。
物語のオチが悪魔を打ち負かすような小気味良いものだったら良かったのに・・・。
恐るべし、民話の不条理でありました。

ほうろうって・・・

優しく扱ってあげないと、欠ける、はがれる。
お鍋の取っ手は熱くなる・・・。
お高い・・・。
でも綺麗なんだものっ!!