chirosukeは赤坂ACTシアターにミュージカル「ビリー・エリオット ~リトル・ダンサー~」を観てまいりました。
「ビリー・エリオット ~リトル・ダンサー~」
http://billyjapan.com/
2017年7月30日(日) 17:00~19:50
上演時間:2時間50分
第一幕 17:00~18:20 80分
休憩 20分
第二幕 18:40~19:50 70分
赤坂ACTシアター
座席は S席1階T列 中央ブロック上手通路側端 (13,500円)
【ロンドンオリジナル・クリエイティブスタッフ】
脚本・歌詞:リー・ホール
演出:スティーヴン・ダルドリー
音楽:エルトン・ジョン
振付:ピーター・ダーリング
美術:イアン・マックニール
演出補:ジュリアン・ウェバー
衣裳:ニッキー・ジリブランド
照明:リック・フィッシャー
音響:ポール・アルディッティ
オーケストレーション:マーティン・コック
【日本公演スタッフ】
演出補 : サイモン・ポラード
振付補 : トム・ホッジソン
音楽監督補 : スティーブン・ エイ モス
翻訳:常田景子
訳詞:高橋亜子
振付補:前田清実
音楽監督補:鎮守めぐみ
歌唱指導:山川高風
照明補:大島祐夫
音響補:山本浩一
衣裳補:阿部朱美
ヘアメイク:前田節子(StudioAD)
擬闘:栗原直樹
演出助手:西 祐子/伴・眞里子/坪井彰宏
舞台監督:徳永泰子
技術監督:小林清隆
プロダクション・マネージャー:金井勇一郎
出演:
ビリー:加藤航世
お父さん:吉田鋼太郎
ウィルキンソン先生:島田歌穂
ビリーのおばあちゃん:根岸季衣
トニー:中河内雅貴
ジョージ:小林正寛
オールダービリー:栗山 廉
マイケル:古賀 瑠
デビー:佐々木琴花
トールボーイ:山城 力
スモールボーイ:岡野凛音
他
chirosukeの感想は・・・
「リトルダンサー」はジェイミー・ベル主演の映画を観ていますが、舞台化はちょっと不安でした。
この舞台、思っていたよりずっと良かったです。
「ビリー・エリオット ~リトル・ダンサー~」は、イギリスの炭鉱の町に暮らす少年がバレエの魅力に気づき、ロイヤルバレエ学校を目指す話です。
2000年に公開された映画「リトル・ダンサー」を舞台化した作品で、2005年ウエストエンドで初演を迎えました。
2008年からはブロードウェイでも上演されています。
その日本版で、今回は全キャスト日本人です。
主役のビリーは4人います。(後に5人になっていました)
chirosukeが観たのは加藤航世くん。
プロフィールを見ると加藤航世くんは「バレエ歴9年」でバレエ経験者としては一番です。
バレエ経験、ダンス経験のないビリーもいるみたいなので、振り付け等一緒なのか気になるところ・・・。
ビリー役の4名は、約1年にわたる長期レッスン&オーディションを勝ち抜き、応募総数1346名の中から役を勝ち取ったそうです。
子供で1年は長いですね。
まさに長期育成型オーディションです。
応募条件は「147cm 以下、声変わりをしていない少年」プロ・アマチュア問わず、ダンス未経験者も OK!
だったそうです。
物語自体が、バレエに魅せられてやむにやまれぬ気持からバレエダンサーを目指す少年のお話なので、chirosukeはビリー役は4人のうち誰でもいいかと思っていました。
他のビリーを観ていないので比較することはできませんが、素晴らしいビリーでありました。
chirosukeがこだわったのは別の主要キャストです。
お父さん:吉田鋼太郎さん、ウィルキンソン先生:島田歌穂さん、ビリーのおばあちゃん:根岸季衣さん。
この三役はダブルキャストでしたがぜひこの役者さんで観たかったです。(好みです・・・)
映画ではビリーの成長がメインで描かれていたと思いますが、舞台はビリーを取り囲む大人たちや、社会をクローズアップしています。
イギリス社会で実際に起きた、炭坑の廃止・経営合理化に抗い戦う労働者階級の物語が描かれています。
仕事=生活がなくなるかもしれない状況に置かれた男たちの苦悩が、きちんとドラマになって見応えがありました。
民営化に反対しストライキする労働者、仕方なく体制側に従う労働者。
どちらも生活のために必死で、仕事に命をかける男たちの生き様が素晴らしいです。
バレエの華やかさとは真逆の、炭鉱の男たちの中で暮らすビリーの気持ちは周囲に受け入れられないのですが、最初から反対するだけだった武骨なお父さんが、ビリーを応援しようと決めたときの決意と行動にはchirosuke泣きました。
お父さん役の吉田鋼太郎さんすごく良い!
島田歌穂さんのウィルキンソン先生も良かったです。
ロイヤルバレエ学校に入学するために故郷を旅立つビリーに「これからあなたが学ぶ数年間で、最初にしなくてはいけないことは、私のレッスンをすべて忘れること」というシーンにはchirosuke、涙目・・・。
ミュージカル 「ビリー・エリオット ~リトル・ダンサー~」は、夢を追う少年の成長物語だけではありません。
「踊りたい!」という気持ちを抑えきれず、挫折しながらも無心に突き進む少年の姿に感動しますが、同時にイギリスの炭坑町の階級闘争が「バレエ」という夢に対比して描かれた、骨太の演劇でもあります。
だからこそ「バレエは夢のように美しい」と思えるのです。
chirosukeは別のキャストでも観てみたいと思うくらい、素晴らしい舞台でした。