ミュージカル 「ビリー・エリオット ~リトル・ダンサー~」


chirosukeは赤坂ACTシアターにミュージカル「ビリー・エリオット ~リトル・ダンサー~」を観てまいりました。

「ビリー・エリオット ~リトル・ダンサー~」
http://billyjapan.com/

2017年7月30日(日) 17:00~19:50
上演時間:2時間50分
第一幕 17:00~18:20 80分
休憩 20分
第二幕 18:40~19:50 70分

赤坂ACTシアター
座席は S席1階T列 中央ブロック上手通路側端 (13,500円)

【ロンドンオリジナル・クリエイティブスタッフ】
脚本・歌詞:リー・ホール
演出:スティーヴン・ダルドリー
音楽:エルトン・ジョン
振付:ピーター・ダーリング
美術:イアン・マックニール
演出補:ジュリアン・ウェバー
衣裳:ニッキー・ジリブランド
照明:リック・フィッシャー
音響:ポール・アルディッティ
オーケストレーション:マーティン・コック

【日本公演スタッフ】
演出補 : サイモン・ポラード
振付補 : トム・ホッジソン
音楽監督補 : スティーブン・ エイ モス
翻訳:常田景子
訳詞:高橋亜子
振付補:前田清実
音楽監督補:鎮守めぐみ
歌唱指導:山川高風
照明補:大島祐夫
音響補:山本浩一
衣裳補:阿部朱美
ヘアメイク:前田節子(StudioAD)
擬闘:栗原直樹
演出助手:西 祐子/伴・眞里子/坪井彰宏
舞台監督:徳永泰子
技術監督:小林清隆
プロダクション・マネージャー:金井勇一郎

出演:
ビリー:加藤航世
お父さん:吉田鋼太郎
ウィルキンソン先生:島田歌穂
ビリーのおばあちゃん:根岸季衣 
トニー:中河内雅貴
ジョージ:小林正寛
オールダービリー:栗山 廉
マイケル:古賀 瑠 
デビー:佐々木琴花
トールボーイ:山城 力
スモールボーイ:岡野凛音

chirosukeの感想は・・・
「リトルダンサー」はジェイミー・ベル主演の映画を観ていますが、舞台化はちょっと不安でした。
この舞台、思っていたよりずっと良かったです。

「ビリー・エリオット ~リトル・ダンサー~」は、イギリスの炭鉱の町に暮らす少年がバレエの魅力に気づき、ロイヤルバレエ学校を目指す話です。
2000年に公開された映画「リトル・ダンサー」を舞台化した作品で、2005年ウエストエンドで初演を迎えました。
2008年からはブロードウェイでも上演されています。
その日本版で、今回は全キャスト日本人です。

主役のビリーは4人います。(後に5人になっていました)
chirosukeが観たのは加藤航世くん。
プロフィールを見ると加藤航世くんは「バレエ歴9年」でバレエ経験者としては一番です。
バレエ経験、ダンス経験のないビリーもいるみたいなので、振り付け等一緒なのか気になるところ・・・。

ビリー役の4名は、約1年にわたる長期レッスン&オーディションを勝ち抜き、応募総数1346名の中から役を勝ち取ったそうです。
子供で1年は長いですね。
まさに長期育成型オーディションです。
応募条件は「147cm 以下、声変わりをしていない少年」プロ・アマチュア問わず、ダンス未経験者も OK!
だったそうです。
物語自体が、バレエに魅せられてやむにやまれぬ気持からバレエダンサーを目指す少年のお話なので、chirosukeはビリー役は4人のうち誰でもいいかと思っていました。
他のビリーを観ていないので比較することはできませんが、素晴らしいビリーでありました。

chirosukeがこだわったのは別の主要キャストです。
お父さん:吉田鋼太郎さん、ウィルキンソン先生:島田歌穂さん、ビリーのおばあちゃん:根岸季衣さん。
この三役はダブルキャストでしたがぜひこの役者さんで観たかったです。(好みです・・・)

映画ではビリーの成長がメインで描かれていたと思いますが、舞台はビリーを取り囲む大人たちや、社会をクローズアップしています。
イギリス社会で実際に起きた、炭坑の廃止・経営合理化に抗い戦う労働者階級の物語が描かれています。
仕事=生活がなくなるかもしれない状況に置かれた男たちの苦悩が、きちんとドラマになって見応えがありました。
民営化に反対しストライキする労働者、仕方なく体制側に従う労働者。
どちらも生活のために必死で、仕事に命をかける男たちの生き様が素晴らしいです。

バレエの華やかさとは真逆の、炭鉱の男たちの中で暮らすビリーの気持ちは周囲に受け入れられないのですが、最初から反対するだけだった武骨なお父さんが、ビリーを応援しようと決めたときの決意と行動にはchirosuke泣きました。
お父さん役の吉田鋼太郎さんすごく良い!

島田歌穂さんのウィルキンソン先生も良かったです。
ロイヤルバレエ学校に入学するために故郷を旅立つビリーに「これからあなたが学ぶ数年間で、最初にしなくてはいけないことは、私のレッスンをすべて忘れること」というシーンにはchirosuke、涙目・・・。

ミュージカル 「ビリー・エリオット ~リトル・ダンサー~」は、夢を追う少年の成長物語だけではありません。
「踊りたい!」という気持ちを抑えきれず、挫折しながらも無心に突き進む少年の姿に感動しますが、同時にイギリスの炭坑町の階級闘争が「バレエ」という夢に対比して描かれた、骨太の演劇でもあります。
だからこそ「バレエは夢のように美しい」と思えるのです。
chirosukeは別のキャストでも観てみたいと思うくらい、素晴らしい舞台でした。

シネマ歌舞伎「東海道中膝栗毛〈やじきた〉」


chirosukeはシネマ歌舞伎「東海道中膝栗毛〈やじきた〉(とうかいどうちゅうひざくりげ〈やじきた〉」を観てまいりました。
上映館はMOVIX亀有です。
ここは初めての映画館ですが大きくてとてもきれいです。

シネマ歌舞伎とは、松竹さんが開発した新しい観劇方法で、歌舞伎の舞台公演をHD高性能カメラで撮影しスクリーンで上映するというものです。
スクリーンでの「映像美」と「臨場感」は、劇場で生の歌舞伎を観ているかのような感覚になります。
一等席が2万円近くになることもある歌舞伎の本公演が2,100円で観られるシネマ歌舞伎は納得できます。
chirosukeは今までにシネマ歌舞伎を数本観ていますが、どれも満足であります。

シネマ歌舞伎
「東海道中膝栗毛〈やじきた〉(とうかいどうちゅうひざくりげ〈やじきた〉」
原作:十返舎一九
構成:杉原邦生
脚本:戸部和久
脚本・演出:市川猿之助

〈シネマ歌舞伎 制作スタッフ〉
監督:浜本正機
撮影監督:鈴木達夫
サウンドデザイン:瀬川徹夫
音楽:富貴晴美

上演月:2016(平成28)年8月
上演劇場:歌舞伎座
シネマ歌舞伎公開日:2017(平成29)年6月3日
上映時間:90分
料金:一般 2,100円(税込)

【配役】
弥次郎兵衛:市川 染五郎
喜多八:市川 猿之助
盗賊白井髭左衛門:市川 右近
天照大神:市川 笑也
十六夜:中村 壱太郎
茶屋女お稲実は女盗賊三ツ大お新:坂東 新悟
五日月屋番頭藤六:大谷 廣太郎
信夫の若君 伊月梵太郎:松本 金太郎
供侍 伍代政之助:市川 團子
読売屋文春:市川 弘太郎
老船頭寿吉:市川 寿猿
大家七郎兵衛:松本 錦吾
役者/女札親師毬夜:市川 春猿
石油王夫人麗紅花:市川 笑三郎
役者/用人山田重右衛門:市川 猿弥
闇金利太郎:片岡 亀蔵
アラブの石油王亜刺比亜太:市川 門之助
五日月屋女房お綺羅:市川 高麗蔵
大家女房お米:坂東 竹三郎
劇場支配人出飛人/奉行大岡伊勢守忠相:中村 獅童

chirosukeの感想は・・・
めちゃめちゃ楽しかったです。
オープニングから大笑いです。
黒子のバイトくん・・・。
「スーパー歌舞伎ワンピース」の後に上演されていますから、ワンピースのパロディなんかもあってとにかく楽しいです~!
随所の時事ネタ(マスゾエさん・号泣野々村議員、文春砲・・・)とか面白すぎでありましょう。

御存知「やじさんきたさん」がお伊勢参りに行く道中が演じられるんですが、お伊勢参りに行くきっかけからしてハチャメチャであります。
ひょんなことから同行することになった、信夫の領主梵太郎と御伴の政之助が芸達者で素晴らしい!
この子役二人が凄いんだ。

シネマ歌舞伎の別の上映館で、子役の舞台挨拶があると聞いていたchirosuke、「なんだ子役かぁ~」とスルーしておりましたが、この二人の子役なら行ってみたかったぞ舞台挨拶!
それくらい子役グッジョブでありました。
何と言ってもかわいらしい・・・。

信夫の領主梵太郎と御伴の政之助は、家督を守り、母の病気平癒を伊勢神宮に願うため、命懸けでお伊勢参りに旅立ちます。
不安な気持ちを抑えて、決意を新たにとっても健気!
若君の伊月梵太郎を演じるのは松本 金太郎。
供侍の伍代政之助を演じるのが市川 團子です。
この二人の子役が最高と言っても良いくらいです。
chirosukeは團子推しであります!

それに引き換え、オトナのくせに冴えない弥次喜多の2人・・・。
ぱっとしないし、ええ加減で適当で小ズルいんですが、どこか憎めない二人です。
調子こいてるやじさん・きたさんを演じる染五郎さんと猿之助さんの掛け合いが絶妙で、もう笑うしかありません。
巧すぎでしょ!

姑息な二人が偶然にも大金を手にし、成り行きでお伊勢参りに向かうんですが、東海道の茶屋で梵太郎と御伴の政之助に出会い、4人で旅をすることになります。

お伊勢参りに行くはずが、何故か道中で一行は、ラスベガスに辿り着いたり、化け猫屋敷や盗賊の一味、闇金にも襲われます。
何でラスベガス・・・?
そこに登場する劇場支配人役の中村 獅童さんが素晴らしい~!
エキセントリック爆発であります。
chirosukeは笑いすぎで涙目でしたよ・・・。

艱難辛苦というか、すったもんだを乗り越えて、やっとの事でお伊勢参りを果たす一行です。
最後は、やじさん・きたさんがしっかり勢いで「宙乗り」までやっちゃいます。

原作の「東海道中膝栗毛」は享和2 (1802)年より刊行された滑稽本です。
「膝栗毛」とは、徒歩で旅行をすることなんですって。
主人公2人の道中記が行く先々の土地の風俗を交え面白可笑しく書かれていて、江戸時代のエンタメですね。

「東海道中膝栗毛〈やじきた〉」は文句なしに楽しい歌舞伎でした。
そしてchirosukeが思ったこと・・・。
あちこちで「ドリフネタ」を彷彿とさせるシーンがあり、あらためて「ドリフターズ」って素晴らしかったんだ!
コドモchirosukeが大好きだったドリフネタ、今でもインパクトがあるし、身体をはったギャグは大ウケでした。

観客に見えないところで、ものすごく詳細な段取りと練習と努力があったこと、オトナchirosukeは解ります。
お約束のように落ちてくるタライ、何故か毎回その下に人がいて、大笑いしている間に舞台袖から人が全速力で走ってきて、必ずぶつかってすっ転ぶ。
バカだなぁ、ドジだなぁとケラケラ笑っている間に:軽快な音楽とともに舞台の盆が廻り、あっという間に次のシーンに移っていく見事さは、王道でありました。
ドリフは小ネタギャグをドタバタに高めた、まさにスラップスティックの先駆者だったのですね。

今回の舞台でも素晴らしいドタバタが観られました。
ドリフがやったネタやギャグは、色褪せずに後世に引き継がれオトナchirosukeを楽しませてくれます。
それも「芸術」だとchirosukeは思います。
ええ加減に見える、偶然や適当に見せる、サラッとさりげなく見せることの難しさ・・・。
その努力を観客に感じさせないのがプロですね。
「ええ加減は芸の神髄、意味づけは時の権力」でありました。

シネマ歌舞伎「東海道中膝栗毛〈やじきた〉」はとても楽しい歌舞伎でした。
スラップスティック万歳!
素晴らしい舞台をありがとうでした!

舞台 「ハムレット」


chirosukeは舞台「ハムレット」を観てまいりました。

ハムレット
https://www.hamlet-stage.com/

2017年4月23日(日) 13:00~
上演時間:3時間20分
第一幕 95分
休憩 15分
第二幕 90分

東京芸術劇場 プレイハウス
座席は S席1階LB列 (9,000円)

作:ウィリアム・シェイクスピア
上演台本:ジョン・ケアード 今井麻緒子(松尾和子訳に基づく)
演出:ジョン・ケアード
音楽・演奏:藤原道山
出演:
ハムレット/フォーティンブラス他:内野聖陽 
オフィーリア/オズリック他:貫地谷しほり
ホレイショー:北村有起哉 
レアティーズ/役者たち(ルシアーナス)他:加藤和樹 
ローゼンクランツ/バーナード/役者たち/イギリス使節1他:山口馬木也
ギルデンスターン/マーセラス/役者たち/イギリス使節2他:今拓哉
フランシスコー/レナルドー/役者たち(序詞役)/牧師他:大重わたる 
ヴォルティマンド/役者たち/水夫1他:村岡哲至 
貴婦人/役者たち他:内堀律子
役者たち(劇中の王妃)/水夫2他:深見由真
ボローニアス/墓掘りの相棒他:壤晴彦 
墓掘り/役者たち(劇中の王)/コーネリアス/隊長他:村井國夫 
ガートルード他:浅野ゆう子 
クローディアス/亡霊他:國村隼

シェイクスピア劇の最高峰と名高い「ハムレット」です。
シェイクスピア四大悲劇のひとつです。(ハムレット・オセロー・マクベス・リア王)
演劇少女のお約束シェイクスピアですが、chirosukeは生のハムレット舞台は初めて観ました。
(映像での舞台中継は観たこと有り)
粗筋と主要な登場人物名、有名なハムレットの台詞「To be, or not to be (生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ)」は知っています。

「ハムレット」、chirosukeの感想は・・・
長い!
シェイクスピアの戯曲の中で最も長いというだけあって、上演時間も長い!

chirosukeはこの舞台、演出がジョン・ケアードさんでわずか14名のキャストということで観たいと思いました。
ジョン・ケアードさんと言えばミュージカル「レ・ミゼラブル」オリジナル版で世界的に有名になった、名演出家であります。
英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー(RSC)の名誉アソシエート・デイレクターとして、さまざまなシェイクスピア劇を手がけてこられたそうです。

登場人物は主役も含め複数の役を演じます。
でも、同じ役者が演じているかが解る時と、気付かない場合もありました。
舞台の下手サイドにも客席があります。
サイド席は役者さんに近いですが、座席で印象が変わるでしょうね。
上手のサイドは登場人物が待機しています。
演じていない時の役者が座っているという、ある意味とてもシェイクスピア的な構図だとchirosukeは思いました。

ハムレットは簡単に言うと、デンマーク王子ハムレットが、父を殺し母を奪い王位を簒奪した叔父に復讐し、仇を討つ物語です。
シェイクスピアのお約束、モノローグが多いです。
役者さんはすごく巧いです。
なのにchirosuke、一幕目で何度か意識が無くなりました・・・。
どうしたんだchirosuke、ジョン・ケアード演出じゃないか!
休憩時間には次に控える第二幕90分に耐えられるか、ちょっと不安なchirosukeでした。
そして今更ですが、劇場内に貼られているポスターを観て、ガートルード役が浅野ゆう子さんだと知ったchirosukeは驚きました。
浅野さん、存在感あり!

二幕目は見応えがあり、意識が無くなることは無かったです。
貫地谷しほりさん演じるオフィーリアの狂気の演技は、凄まじくも哀れでchirosukeはちょっと涙目です。
オフィーリアと言えば、ジョン・エヴァレット・ミレーの絵画がchirosukeには刷り込まれているので、哀れさ倍増です。
一幕目では小物っぽく感じたクローディアスでしたが、後半ワルっぷりが増してまさに復讐のターゲット。
國村隼さん、悪人っぷりが良い感じです。
内野聖陽さんのハムレットは、悩める青年というより適度な泥臭さのある人間という感じでした。
口語とは違う、大仰な翻訳の台詞になるシェイクスピア劇ですが、この舞台では登場人物が生身の人間だと強く意識できるものでした。
(特に二幕目)
村井國夫さんが墓堀り役で軽妙な演技を見せてくれます。
この役、chirosukeはすごく好きでした。

シェイクスピアの悲劇だけあって、最後はほぼ全員が死んでしまうという救いのないお話です。
登場人物と相関図は理解していたと思っていたchirosukeでしたが、「ローゼンクランツとギルデンスターン」が登場したのには、ハッとしました。
あの二人は、ハムレットに出てくる人だったのか・・・!
そしてやっぱり、「ローゼンクランツとギルデンスターン」も死んでしまうのでした。
(結構早いうちに、あっけなく、しかもナレ死に近い)
シェイクスピア、容赦ないです。
恐るべし四大悲劇のひとつでありました。

ミュージカル「SINGIN’IN THE RAIN ~雨に唄えば~」 2017年


chirosukeは渋谷ヒカリエ11Fにあるシアター・オーブにミュージカル「SINGIN’IN THE RAIN ~雨に唄えば~」を観に行ってまいりました。

「ミュージカル「SINGIN’IN THE RAIN ~雨に唄えば~」
2017年4月15日(土) 12:30~:
上演時間:約2時間40分
第1幕 (90分) 12:30~14:00 
休憩 20分
第2幕 (50分) 14:20~15:10 

TOP

東急シアターオーブ(渋谷ヒカリエ11階)
座席は S席 1F 2列 中央ブロック
13,000円
演出:ジョナサン・チャーチ
振付:アンドリュー・ライト
出演 :
ドン・ロックウッド:アダム・クーパー
コズモ・ブラウン:ステファン・アネリ
リーナ・ラモント:オリビア・ファインズ
キャシー・セルドン:エイミー・エレン・リチャードソン

chirosukeはこの舞台は2度目です。
(最初の観劇は2014年11月21日のブログをみてね)

とても楽しいこの舞台がchirosukeは大好きです。
再演が決まってから、昨年の11月に頑張ってチケットを取っていました。
(再演のチケットについては2016年11月3日のブログをみてね)

前から2列目の中央ブロック、お約束のびしょ濡れシートであります。
今回もchirosukeはアダム・クーパーさんに思いっきり水をかけていただきました~!
chirosukeはしっかりレインコートを持参して、着こんで座っていました。

一幕目のラスト、雨の中を唄い踊るアダム・クーパーさんが容赦なく水を蹴り上げると周囲のお客さん達と一緒に「きゃ~!」と叫びつつフードを被ってガードしましたが、それでも濡れました!
劇場側が前列シートに用意してくれたビニールシートも使いましたが、濡れます!
100円均一ショップのフード付きレインコートは頑張っていましたが、もともと「濡れたい人専用席」みたいなもんです。
めちゃめちゃ楽しかったです!

「SINGIN’IN THE RAIN」chirosukeの感想は・・・。
メインキャストは前回と変わらず、皆さん素晴らしかったです。
席が一列前になった分、アダム・クーパーさんが近い!

軽やかな身のこなしで唄い踊るアダム・クーパーさんはすごいです。
ダンサーさん達は皆さんジャンプが高くて回転もすごいんですが、アダム・クーパーさんはダントツでした。
脚を上げる角度が違う・・・!
chirosukeは今回も呆然とするくらい見とれてしまいました。

今回もカーテンコールのみ写真(静止画に限る)撮撮影可でした。
でもアナウンスがギリギリで、iPhoneの電源でもたもたしてしまったchirosuke、最初の黄色いレインコート写真は撮れず・・・。
びしょ濡れになり、フードで水を避けつつ、拍手しながら頑張って写真をとりました。

この舞台は、「観客を楽しませよう」という心意気に溢れています。
観ていて楽しいし、笑うし、心から共感して応援したくなります。
アダム・クーパーさんはダンスも歌も演技も素晴らしいエンターティナーです。
コズモ・ブラウンを演じたステファン・アネリさん良いなぁ~!
リーナを演じたオリビア・ファインズさんの声には今回も大爆笑のchirosukeですが、逆襲に転じた時のワルっぷり、かわいくてとっても悪い!
「アタシはバカじゃないわ!」と何度も言いながらワルっぷりを発揮するんですが、リーナだもんね。

今回は、この舞台の背景にある「サイレント映画からトーキー映画への変遷」も深くchirosukeの心に残りました。
信じて続けてきた手法が、新しいものにとって替わり廃れていく寂しさ。
リーナに象徴される、焦りと悲哀と滑稽さ、抗いながらも去っていかざるを得ない古い者たちにchirosukeは涙目になりました。
その流れを感じつつ、新しい波にただ飲まれていくのではなく、波に乗っていこうとするしたたかな「ショービジネス」の世界は、まさに「The show must go on : ショーを続けねばならない」でありました!

カーテンコールの写真です。
黄色い傘がアダム・クーパーさんです。
拡大して見てね。

「SINGIN’IN THE RAIN ~雨に唄えば~」はchirosukeの大好きな舞台のひとつです。
観ないと損します。
音楽もダンスも歌も、素晴らしいです。
何より、人の心がきちんと伝わってくる舞台です。

chirosukeは今回も思いました。
舞台は好き嫌いです。
もしこの舞台が嫌いだという人がいたらそれはその人の勝手ですが、きっとchirosukeとはお友達にはなれないと思います。

今回の舞台は日本公演のみ、東京限定です。
やはり東京万歳であります!

NODA・MAP第21回公演「足跡姫」~時代錯誤冬幽霊~ 2回目千秋楽


NODA・MAP第21回公演 「足跡姫」~時代錯誤冬幽霊~、千秋楽を観に行ってまいりました。

「足跡姫」は2回目の観劇です。
(1回目の観劇については2017年2月18日のブログをみてね)

NODA・MAP第21回公演「足跡姫」~時代錯誤冬幽霊(ときあやまってふゆのゆうれい)~
http://www.nodamap.com/ashiatohime/

2017年3月12日(日) 14:00~
上演時間:2時間40分
1幕 約80分
休憩  15分
2幕 約65分

東京芸術劇場プレイハウス
作・演出:野田秀樹 

出演
三・四代目出雲阿国:    宮沢 りえ 
寂しがり屋サルワカ:    妻夫木 聡
死体/売れない幽霊小説家: 古田 新太
戯けもの:  佐藤 隆太
踊り子ヤワハダ:  鈴木 杏  
万歳三唱太夫:  池谷 のぶえ 
伊達の十役人:  中村 扇雀
腑分けもの:  野田 秀樹

秋草瑠衣子、秋山遊楽、石川朝日、石川詩織、大石貴也、上村聡、川原田樹、末冨真由、鷹野梨恵子、手代木花野、土肥麻衣子、西田夏奈子、野口卓磨、野村麻衣、花島令、福島梓、本間健太、前原雅樹、松崎浩太郎、的場祐太、モーガン茉愛羅、吉田知生、吉田朋弘

座席は S席2階A列 下手ブロック (9,800円)

劇場ロビーに展示されていた舞台装置の模型です。
前回展示されていた模型には、背景の桜も花道の足跡もありませんでした。

「足跡姫」~時代錯誤冬幽霊~ 千秋楽、chirosukeの感想は・・・
やはり泣けて泣けてしょうがなかったです。
前回の感想と同じですが、戯けものを演じた佐藤 隆太さんが、とてものびのびされていたように思いました。
りえちゃんの足跡姫は凄味を増してて、素晴らしかったです。
後半の「舞台の上なのになんで、こんなにも風もひかりも感じるんだろう?」にはchirosuke号泣です。
舞台ってすごいんだよ、とchirosukeは大共感しつつ、泣きながら両手をグーであります。
大向こうさんもおられました。
千秋楽っていいなぁ~!

何度も続いたカーテンコール。
chirosukeは拍手を続ければ舞台は終わらないと思い、ずっとずっと拍手を続けました。
客電が灯いても拍手は鳴り止みませんでした。
最後のカーテンコールで出てきた野田さんは、舞台中央に正座されて深々と頭を下げられました。
その時、見えないけど絶対隣にいた勘三郎さんの背中を押すようにされるもんだから・・・
口には出さなくても「ほら、お前も一緒に挨拶するんだよ」みたいに。
chirosukeは拍手しながら涙涙・・・。
破顔一笑の勘三郎さんの姿が見えたように思いました。
それでもいつか舞台は終わります。

ありていに言えば、舞台もひとつのリアリティです。
ありていって、「有り体」って書くんですね。
身体は無くとも、勘三郎さん、舞台に居られましたね・・・。
時々、また地球の反対側からこちらに戻ってきてください。
大丈夫、地球の反対側とこちらは「すっぽん」でつながっているんですから。

「足跡姫」の戯曲が収録された「新潮 1346号」です。

chirosukeは書店やネットを探し回りましたが完売で涙目。
劇場ロビーでも販売していましたが、千秋楽前に完売でした。
何とかAMAZONで出品者の方から、定価930円(税込)の本を送料込みの1,700円近くで身請けしました。
初動が遅く、chirosukeの失敗でありますが、どうしても読みたかったので仕方ないですね。

野田さん、素晴らしい舞台をありがとうです。
サルワカがやってのけたような「起死回生のどんでん返し」を、これからも観せてください。
そのためにchirosukeも、何度も何度も客席に足をはこびます。
そこでは、舞台の上と同様に、客席でも風もひかりも感じます。
ニセモノの生と死が何度も演じられ、偽物だけど、その偽物にこそchirosukeは感動します。
chirosukeの座右の銘のひとつ、ジョン・アーヴィングが「ホテル・ニューハンプシャー」で書いた「人生は深刻だが、芸術は楽しい」であります。

「足跡姫」~時代錯誤冬幽霊~ 千秋楽を観られて、とても嬉しいchirosukeでありました。
東京万歳!

THE CONVOY SHOW vol.32 「asiapan」


asiapan_a_xchirosukeは、THE CONVOY SHOW (ザ・コンボイ ショウ)を観に行ってまいりました。

THE CONVOY SHOW vol.32 「asiapan(アジャパン)」
2017年2月26日(日) 13:00~
赤坂ACTシアター
座席は2F J列 下手ブロック
全席指定:9,800円
上演時間:約2時間20分(休憩なし)

『asiapan(アジャパン)』
作・構成・演出:今村ねずみ
出演:瀬下尚人 石坂 勇 舘形比呂一 黒須洋壬 トクナガクニハル 
荒田至法 後藤健流 佐久間雄生 本田礼生 
今村ねずみ

THE CONVOY(ザ・コンボイ)とは、俳優・演出家の今村ねずみさんが1986年「走り出したら止まらない」を合い言葉に結成されたエンターティメント集団です。
THE CONVOY SHOWという独自のエンターティメントショウは以前から評判が高くて、chirosukeもいつか観たいと思っていました。

やっと観られたTHE CONVOY SHOW vol.32 「asiapan(アジャパン)」です。
chirosukeの感想は・・・
何これ、すごくかっこいい!
パフォーマンスがすごく面白くて、めっちゃハイレベル!
冒頭のダンスにchirosukeは驚き、既に涙目でした。
お芝居、歌、ダンス、タップもすごいです。
ほんと、「すごい」としか言えないです。

この人たち何者?とは、以前観た「コンドルズ」の時も思ったんですが、コンドルズは「時々脱力感を伴うしょうもないユルさ」が良かったけど、「ザ・コンボイショウ」は全然ユルくないです。
ガンガン行っちゃいます。
キレッキレです。
chirosukeはどっちも好きです。
(コンドルズについては2016年9月10日のブログをみてね)

ダンスもタップもすごくて、このパフォーマンスを見ているだけで感動してしまう。
chirosuke涙目です。

そうこうするうちにお芝居が始まって、笑いもあって楽しいです。
アジアのとある国。
遺跡群に囲まれた街のゲストハウスに、日本からやってきた中年の男たちが偶然居合わせます。
そこで「自分探し」のような旅と、出会いと別れが演じられるのですが、chirosukeちょっと感動です。
何よりメンバーの個性がとても魅力的です。

皆さん歌も歌うし、演技も巧いしダンスもすごいです。
ミュージカル・・・じゃないですよ。
まさに盛りだくさんなエンタメショーです。
この人たち、ダンサーなのか役者なのか、歌手なのか・・・?
今村ねずみさんの存在感が半端ない。
全員が半端ない・・・。

ダンスはスピード感やジャンプの高さ、アクロバティックな動き等、若手4人が際立ちます。
けれど中年オジサン6人は・・・もっとカッコいいんです!
chirosukeはこの若手4人もいつか今村さん達みたいな、カッコいい中年になってね・・・と思いましたもの。

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2階席の最後列から2列目、舞台までとっても遠い・・・。
chirosukeはiPhoneで何枚も取りましたが、ほとんどがハレーションで真っ白。
遠いけど、一枚だけ何とか全員集合の写真が撮れました。

舞台中央奥のカウンター内に立つ、向かって右の明るいシャツを着た人が今村ねずみさんです。
昔、TV番組の「いいとも青年隊」のメンバーだった時chirosukeは観ていました。
テレフォンショッキングで野田秀樹さんが出演された時、今村さんが、昔一時期「夢の遊眠社」に在籍されていたことを聞いてchirosukeはびっくりでした。
今村ねずみさんは、ずっと自分の道を切り開いて走ってこられたのですね。

「THE CONVOY SHOW」は評判以上に素晴らしい世界でありました。
本当に「走り出したら止まらない」ノンストップのとても楽しいショーでした。
劇中で問いかけられた
「WHAT IS YOUR MOTTO?」 (あなたのモットーは?) に、何だかぐっときてしまいました。
素晴らしい舞台をありがとうでした!

舞台 「熱海殺人事件 NEW GENERATION」2017年


7%e7%86%b1%e6%b5%b7%e6%ae%ba%e4%ba%ba%e4%ba%8b%e4%bb%b62017chirosukeは、紀伊國屋ホールに「熱海殺人事件 NEW GENERATION」を観に行ってまいりました。

「熱海殺人事件 NEW GENERATION」
2017年2月19日(日) 14:00~
東京・新宿 紀伊國屋ホール
座席はR列 下手ブロック(中央通路側)
全席指定:6,500円
上演時間:約2時間(休憩なし)

作 :つかこうへい
演出:岡村俊一
出演:木村伝兵衛部長刑事:味方良介
大山金太郎:黒羽麻璃央
婦人警官水野朋子:文音
熊田留吉:多和田秀弥  他

紀伊國屋ホールでは、2010年につかさんが亡くなられた後「つかこうへい復活祭」として毎年「熱海殺人事件」を上演しています。
chirosukeも東京に来てから3回目の「熱海」観劇です。

1973年に発表された「熱海殺人事件」はつかこうへいの代表作のひとつです。
44年を経てなお上演され続け、役者、観客ともに若い世代に引き継がれているというのはすごいと思います。
今回の熱海も、chirosukeが初めて観る役者さんたちでした。

木村伝兵衛部長刑事を演じた味方良介さんは、史上最年少24歳だそうです。
早口のところが少し聞き取りにくかったですが、がんばっておられたと思います。

大山金太郎役の黒羽麻璃央さんはミュージカル主演もされているそうで、登場は「君の名は。」の主題歌「前前前世」でした。
水野朋子婦人警官役の文音さんは、志穂美悦子さんの娘さんだそうで、chirosukeもびっくりであります。
富山から来た刑事熊田留吉役の多和田秀弥さんは「手裏剣戦隊ニンニンジャー」などで活躍されている役者さんとのことです。

今回も身内ネタから時事ネタ、少年ジャンプとジブリの夢の競演とかで笑わせていましたが、chirosukeには身内ネタは殆どわからずでしたが、若い観客には大ウケでした。

役者が変わっても「熱海」のナニワ節はそのままで、chirosukeはやはり大山金太郎のアイちゃん殺害の場面では号泣してしまいました。
黒羽麻璃央さんの大山金太郎、とても良かったです。

若い役者さんたちの熱意で「熱海殺人事件」が上演され続けることは、とても嬉しいことだと思います。
世代を超えた毒と、人に向けた半端ない優しい眼差しが交錯する「熱海殺人事件」は本当の名作だと思うchirosukeでありました。

NODA・MAP第21回公演「足跡姫」~時代錯誤冬幽霊~


%e8%b6%b3%e8%b7%a1%e5%a7%ab_1chirosukeは東京芸術劇場にNODA・MAP第21回公演 「足跡姫」~時代錯誤冬幽霊~を観に行ってまいりました。

NODA・MAP第21回公演「足跡姫」~時代錯誤冬幽霊(ときあやまってふゆのゆうれい)~
http://www.nodamap.com/ashiatohime/

2017年2月18日(土) 14:00~
上演時間:2時間40分
1幕 約80分
休憩  15分
2幕 約65分

東京芸術劇場プレイハウス
作・演出:野田秀樹 

出演
三・四代目出雲阿国:    宮沢 りえ 
寂しがり屋サルワカ:    妻夫木 聡
死体/売れない幽霊小説家: 古田 新太
戯けもの:  佐藤 隆太
踊り子ヤワハダ:  鈴木 杏  
万歳三唱太夫:  池谷 のぶえ 
伊達の十役人:  中村 扇雀
腑分けもの:  野田 秀樹

秋草瑠衣子、秋山遊楽、石川朝日、石川詩織、大石貴也、上村聡、川原田樹、末冨真由、鷹野梨恵子、手代木花野、土肥麻衣子、西田夏奈子、野口卓磨、野村麻衣、花島令、福島梓、本間健太、前原雅樹、松崎浩太郎、的場祐太、モーガン茉愛羅、吉田知生、吉田朋弘

座席は S席1階J列 上手ブロック (9,800円)

NODA・MAPの新作「足跡姫」~時代錯誤冬幽霊~は、江戸を舞台に野田秀樹が描く“勘三郎へのオマージュ”と明記されていました。

chirosukeの感想は・・・
胸がいっぱいになってしまう舞台でした。
オマージュどころか、これは野田さんが中村勘三郎さんに宛てた心からのラブレターだと思いました。
勘三郎さんへのストレートな思いが言葉になって紡がれ、これはもう号泣しかないです・・・。
すばらしい舞台です。
今までのNODA・MAPとは少し違う感動があります。
夢の遊眠社の舞台をいっぱい思い出しました。

三・四代目出雲阿国を演じる宮沢りえさんはすごいです。
足跡姫に取り憑かれたときは演じ分けというより、別人じゃないかとchirosukeはびっくりです。

母音と子音、イイアイという母が発した音が子供の耳には「イキタイ⇒生きたい、行きたい」と聴こえる・・・。
chirosukeは夢の遊眠社の名作「小指の思い出」を思い出しました。
万歳三唱太夫を演じた池谷 のぶえさんも良かったです。
姉と弟が売られてゆく「山椒大夫」にもつながるコトバ遊びですね。

売れない幽霊小説家を演じる古田 新太さんの「数字に弱い奴がこっち側(舞台)にいるんだよ」みたいな台詞に、算数がまったくできないchirosukeは両手をグーで賛同いたしました!
その数字が後半、あんな意味になるとは・・・!

今回も野田さんお得意の言葉遊びと、トリックが見事です。
劇場には花道がつくられ、すっぽんもあります。
この「すっぽん」は、劇中一度だけ使われますが、そのときはもうchirosukeは既に号泣でありました。

舞台人が最期に行きたいところはやはり舞台でありましょう。
サルワカが世界で一番遠いところ、地球の反対側に思いを馳せ無心で穴を掘って繋がった先・・・。
そこで見えた景色は美しいを通り過ぎて、気高くさえ感じられました。
もちろん、舞台は現実とは違う。
演じられるのは偽物の死です。
役者は舞台の上で何度も何度も偽物の人生を生き、偽物の死を繰り返す。
その偽物に観客は感動し、心打たれる。

そして役者そのものは、いつか本当の死を迎えます。
役者と一緒に「芸」そのものも消えてなくなります。
演劇という芸術の残酷なところです。
でも役者の「思い」はどこかに残ると思いたいし、観客の記憶の中に生き続けると思う。
だから芝居は良いんだな!
演劇少女だったchirosukeはそう思います。

死んでしまった姉を抱きかかえ、背景には満開の桜。
サルワカは姉の思いを引き継いで、その舞台を何代までも後世に伝える決心を語ります。
その決意を語るサルワカを演じる妻夫木 聡さんが素晴らしい!
chirosukeにとっては、今まで観た妻夫木さんの演技の中で最高かも・・・。
あの破顔一笑といえる屈託のない笑顔の裏に、底知れない哀しさと決意を秘めたサルワカ。
この笑顔のために妻夫木さんがいると言っても良いくらい、最高の笑顔でした。

chirosukeは「夢の遊眠社」の名作のひとつ「贋作・桜の森の満開の下」を思いだしました。
あの時流れた曲はオペラ「ジャンニ・スキッキ」の中のアリア「私のお父さん」でした。
今回の曲は・・・!
気が付いた時chirosukeは、さらに泣けてしまって・・・。
歌舞伎「野田版 研辰の討たれ」で流れたオペラ「カヴァレリア・ルスティカーナの間奏曲」でした。
「野田版 研辰の討たれ」では、舞台は一面の紅葉。
この間奏曲が胡弓の響きで流れるなか、勘三郎さん演じる辰次が「生きてえなぁ」と呻きます。
もう・・・「野田版 研辰の討たれ」を観た人で、ここでこの曲を聴いて泣かずに済む人はいないでしょう。
(「野田版 研辰の討たれ」については2016年7月23日のブログをみてね)

役者は現役で板の上で逝ければ本望、等と言われます。
夢半ばで倒れた勘三郎さんの思いが「足跡姫」で帰ってきたんだなと思えるくらいでした。
この舞台は、観客も含め舞台に関わる人たちすべてに向けた、野田さんの敬意と決意が込められているようで、本当に観ることができて良かったとchirosukeは思います。

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・公演パンフレット:1,000円(税込)

今回の野田秀樹さんの対談相手は、落語家 立川志の輔さんです。
メインキャストインタビューや稽古場風景写真もあります。
キャストポートレート&稽古場風景は篠山紀信さんの写真です。
NODA・MAPの公演パンフレットは、読み応えたっぷりでコンパクトでお安いと思います~。

この舞台は千秋楽のチケットも取れています。
きっとまた号泣してしまうんだろうなぁ・・・のchirosukeであります。

ミュージカル 「わたしは真悟」 2回目(千秋楽)


%e3%82%8f%e3%81%9f%e3%81%97%e3%81%af%e7%9c%9f%e6%82%9f_%e3%83%81%e3%83%a9%e3%82%b72ミュージカル「わたしは真悟」の2回目の観劇、千秋楽に行ってまいりました。

ミュージカル 「わたしは真悟」
http://watashingo.com/

2017年1月26日(木) 13:00~
新国立劇場 中劇場

上演時間:2時間20分
第1幕:60分
(休憩 20分)
第2幕:60分

座席は S席 2F 1列 下手ブロック (10,800円 )

原作:楳図かずお「わたしは真悟」(小学館刊)
脚本:谷 賢一
音楽:トクマルシューゴ/阿部海太郎
歌詞:青葉市子
演出・振付:フィリップ・ドゥクフレ
振付・美術:エリック・マルタン
映像:オリヴィエ・シモーラ/ローラン・ラダノヴィッチ
照明:大平智己
音響:松木哲志
ヘアメイク:鎌田直樹
稽古ピアノ:太田裕子
通訳:加藤リツ子 演
出助手:豊田めぐみ
舞台監督:足立充章
技術監督:堀内真人
演出協力:白井 晃

MUSICIAN(ミュージシャン):トウヤマタケオ
Open Reel Ensemble 吉田匡・和田永・吉田 悠

「キャスト」
真鈴:高畑充希
悟:門脇 麦
ロビン:小関裕太
しずか:大原櫻子
真悟:成河
田鍋謙一郎/奥村佳恵/斉藤悠/宮菜穂子
水野栄治/江戸川萬時/清家悠圭
加賀谷一肇/碓井菜央/工藤広夢
引間文佳/鈴木竜

chirosukeは1月9日にこの舞台を観て、とても感動しました。
(1回目の観劇については2017年1月9日のブログをみてね)

どうしても、もう一度観たくて、何とか千秋楽のチケットをとることができました。
chirosukeの感想は・・・
本当に素晴らしい舞台です。
千秋楽を観ることができて良かったです。

冒頭の東京タワーのシーンからchirosukeは涙が出てしまいました。
てっぺんに「さとる&まりん」がいるんだもの・・・。
どうみても12歳の小学生にしか見えない高畑充希さんと門脇 麦さんの演技に感動です。

悟と真鈴が東京タワーのてっぺんから飛び移った後、大人たちによって引き離され二度と会うことはできませんでした。
その時、産業用ロボットに自我が目覚め、自身を真鈴と悟の子供であると自覚し、「ワタシハ真悟」と名乗ります。
このときの成河さんの台詞にchirosukeは全身トリハダでありました。

真悟は父:悟の言葉を母:真鈴に伝えるためだけに行動します。
「マリン、ボクハイマモ キミヲアイシテイマス」
真悟の命懸けの行為により、悟の言葉を受け取ることはできたものの子供が終わってしまった真鈴は、悟へのメッセージを最後まで声にすることはできませんでした。

そして、意識を持った機械の真悟が、最後に知った感情が「嘘」だったこと・・・。
なんて悲しい嘘でしょうか。
今度はその嘘によって「サトル、ワタシハイマモ アナタガスキデス」という真鈴の言葉を悟に伝えに行く真悟です。
機械の本体部分はボロボロになり、殆ど意識のみで悟のもとに戻ってきた真悟に、悟は気付かないのです。
そもそも二人は「真悟」という存在自体を知らないのです。
もう、なんて残酷・・・!
chirosukeは涙がでて止まらなかったです。

真悟の残骸を踏み超えて悟が歌います。
♪新しい匂い 新しい心
 僕ら見えるよ 未来

悟は子供から大人へ踏み出したのですね。
真鈴の子供時間も終わってしまった・・・もう真悟は存在できないです。
真悟は悟と真鈴の子供時間のみに存在するのですから。

chirosukeが思った「わたしは真悟」という舞台は・・・
子供時間の中で繰り広げられる、凄まじい愛の物語です。
子供時間が持続する間の奇跡の物語です。
そして、人にとって子供時間は永遠ではない。
だからこそラストシーンが美しくて切ないです。

真悟:「こうして、わたしは終わったといいます。
終わる一瞬、わたしは、子供のままで遊ぶ父と母の、
永遠の姿を、見たといいます・・・」

舞台では永遠の子供時間が流れていました。
chirosukeは号泣・・・。

shingo_10千秋楽のカーテンコールではスタンディングオベーションでした。

出演者の皆さんの♪「333のてっぺんから」の曲に合わせたステップがかわいらしくて素敵~!
拍手が止まりません。
客電が灯いて、「本日はご来場いただき・・・」のアナウンスが流れても拍手が続きます。
これだから素晴らしい舞台の千秋楽は良いんだよなぁ・・・!

何度も何度も出てきてくれた高畑充希さんと門脇 麦さんです。
最後は充希ちゃんはロビン役の小関裕太さんに拉致られるように退場されてました。
客席は大笑いです。

素晴らしい舞台をありがとうです。
chirosukeの中にも記憶されている「子供時間」を大切にしていこうと思いました。
そして、ものすごい作品を描かれた楳図先生、その底無しの想像力にchirosukeは大感激であります。

「奇跡は誰にでも一度おきる だがおきたことには誰も気がつかない」

ミュージカル 「わたしは真悟」


%e3%82%8f%e3%81%9f%e3%81%97%e3%81%af%e7%9c%9f%e6%82%9f2017年の最初の舞台は、ミュージカル「わたしは真悟」であります。

ミュージカル 「わたしは真悟」
http://watashingo.com/

2017年1月9日(月:祝) 13:00~
新国立劇場 中劇場

上演時間:2時間20分
第1幕:60分
(休憩 20分)
第2幕:60分

座席は S席 16列 下手ブロック中央側端 (10,800円 )

原作:楳図かずお「わたしは真悟」(小学館刊)
脚本:谷 賢一
音楽:トクマルシューゴ/阿部海太郎
歌詞:青葉市子
演出・振付:フィリップ・ドゥクフレ
振付・美術:エリック・マルタン
映像:オリヴィエ・シモーラ/ローラン・ラダノヴィッチ
照明:大平智己
音響:松木哲志
ヘアメイク:鎌田直樹
稽古ピアノ:太田裕子
通訳:加藤リツ子 演
出助手:豊田めぐみ
舞台監督:足立充章
技術監督:堀内真人
演出協力:白井 晃

MUSICIAN(ミュージシャン):トウヤマタケオ
Open Reel Ensemble 吉田匡・和田永・吉田 悠

「キャスト」
真鈴:高畑充希
悟:門脇 麦
ロビン:小関裕太
しずか:大原櫻子
真悟:成河
田鍋謙一郎/奥村佳恵/斉藤悠/宮菜穂子
水野栄治/江戸川萬時/清家悠圭
加賀谷一肇/碓井菜央/工藤広夢
引間文佳/鈴木竜

chirosukeの感想は・・・
素晴らしい舞台でした!
切なく、美しく、怖ろしい愛の物語です。

chirosukeはここ数年は年に20本以上の舞台を観ています。
再演の度に観る舞台、好きな劇団の舞台、原作が好きな舞台はおさえていますが、できるだけ幅広く観たいと思っています。
もちろんchirosukeには合わないだろうな、と避けている演目もあるし、楽しみのために観ているのでオカネと時間のやりくりしていますから、本数も限られてしまうのは仕方ありません。

そんな中で時々ですが、ものすごい「当たり」の舞台に遭遇することがあります。
どんな内容か予想がつかないけど、原作、演出、役者、評判等のどれかひとつでも期待できそうな演目で、「観てみようかな」と劇場に行く場合です。
予期せず「当たり」の舞台だとチケットを一回分しかとっていないことが悔やまれます。

今までの「大当たり」のひとつは2014年の大人計画の「キレイ-神様と待ち合わせした女-」でした。
(「キレイ-神様と待ち合わせした女-」については2014年12月6日のブログをみてね)

shingo_3今回のミュージカル「わたしは真悟」も「キレイ」に匹敵する大当たりでありました!
原作は楳図かずおさんの長篇漫画「わたしは真悟」です。
chirosukeは楳図先生の作品は好きですが、特に「わたしは真悟」は大好きです。
コミックスも全巻持っています。

この形而上学的ともいえるテーマのSF作品を、どう舞台にするのかな?という興味と、演出がアルベールビル冬季五輪の開閉会式の演出で世界を驚かせたフィリップ・ドゥクフレさんという意外性でチケットを取りました。

コドモchirosukeは楳図先生の恐怖まんがを読んで、本当に怖いものは「人」だと教えられたと思います。
「のろいの館」のタマミお姉さんも、「おろち」の姉妹も、「洗礼」の母親も「漂流教室」の関谷のおっさんも、本当に怖かったです。
「わたしは真悟」は、恐怖よりも「愛」「神」「意識と存在」など深いテーマを見事に楳図ワールドで描き切った名作だと思います。

舞台は、原作へのリスペクトに溢れ、舞台でしか表現しえない驚きと美しさでchirosukeは何度かポロポロ泣いてしまいました。
原作を読んでいたからこそ良く理解できた部分も多かったと思います。

shingo_2冒頭から東京タワーのあのシーンですよ!
「333のテッペンカラトビウツレ」です。

タワーの先端部分にしがみつくふたりの子供、悟と真鈴は12歳の少年と少女にしか見えませんでした。
高畑充希さんが演じる「まりん」と門脇麦さんが演じる「さとる」は、chirosukeが知っている「さとる&まりん」そのものでした!
しかも悟の衣装・・・!
楳図先生への敬意そのもの!
タワーの下で右往左往するオトナ達のなかに悟の母親はすぐに見つかりました。
だって、あの髪型!
楳図先生が描く「母親」のパーマヘアそのまんまなんですもの!
ここでもうchirosukeは涙目・・・。

成河さん演じる「真悟」はすごいです。
すごい身体能力で、シルク・ドゥ・ソレイユみたいです。
エフェクトのかかった機械的な声、真悟のお約束の伝聞形式「・・・といいます」もすごく良い!
そして真悟は、四角⇒三角⇒マルに進化を遂げていきます。
機械のアームを操作する黒子やダンサーも素晴らしいです。

舞台上手で演奏される不思議な音楽と、モニターに映し出される映像も物語の重要なファクターです。
chirosukeは途中でこの映像が「真悟目線」であることに気がつきました。
フィリップ・ドゥクフレさん、すごいなぁ。
とても面白い演出です。

「しずか」を演じた大原櫻子さん。
すごくかわいくて、ふくれっ面の幼い少女にしか見えない!
うさぎのぬいぐるみが何気にコワい・・・。
chirosukeは楳図先生の描く子供の特徴のひとつは、まっすぐに描かれた「脚」だと思っているのですが、さとるとまりんを演じた高畑充希さんも門脇麦さんも、楳図作品のコドモ脚でびっくりであります。

ロビンを演じた小関裕太さん。
カラーコンタクトでイギリス人の雰囲気がよくでていました。
この作品では、日本人、イギリス人という違いも重要な部分なのでしっかりおさえていました。
chirosukeはロビンの「掌」が怖かったです。
手じゃなくて掌!
すごく緊張感のある演技で、ロビンの「悪」、作品の中では「毒」と表現されていますが、見事に表現されていたと思います。

shingo_4原作「わたしは真悟」の中でchirosukeが最も心が動いた部分、まりんが、キカイの音が自身の身体の中から聞こえていることに気付き、驚愕するシーンがしっかり演じられていてとても嬉しかったです。

砂漠の中で「これは子供の終わる音だわ!」と絶望するまりんにchirosukeはボロ泣きでありました。
真悟が自分の身を犠牲にして母親であるまりんを救うのですが、まりんの中の「こども」は終わってしまいました。
子供のうちに悟と結婚するという、まりんの命がけの切ない願いは断たれ、機械(真悟)の声も聴くことができなくなりました。
このシーンでchirosukeはピエタを思い出しました。

原作にもでてくる謎めいたメッセージ
「奇跡は誰にでも一度おきる だがおきたことには誰も気がつかない」
人の悪意があるところに出現する美しい虹も舞台で表現されています。
もう楳図ファン、原作ファンにはたまらない演出であります。
ネズミもでっかくてほんとに怖い・・・。
ミュージカルというより、「わたしは真悟」という原作を舞台にするにはこの方法が最も適していると納得してしまいます。

shingo_120分の休憩時間、chirosukeは感動でちょっとクラクラしておりました。
すごく喉が渇いて、劇場のロビーにあるブッフェでアイスティーをいただきましたが4OO円・・・。
ペットボトルのお茶を持って来ておけばよかった・・・。
ロビーではグッズ販売もしていました。
Tシャツとかマグカップとかいろいろあります。

chirosukeはプログラムを身請け。
表紙の色4色から選べます。

・プログラム 1,600円(税込)

ロビーには原作の楳図先生の絵がたくさん貼られています。
撮影OKで、chirosukeも写真を撮ってまいりました。
今度関西に帰省した時、コミックスを読み直してみたいと思います。

ラストシーンはもう素晴らしい!
舞台ならではの抒情に溢れた本当に切なく美しいシーンでありました。
chirosukeはもう涙目・・・。

shingo_5カーテンコールでは出演者の皆さんがとても素敵にかわいくステップを踏みます。
拍手が止まりません。
ここでchirosukeは現実に引き戻されたように感じました。
決して舞台の余韻を失くしたというわけじゃありません。
どっぷり浸かった楳図ワールドでしたが、「ああ、そうか、これはお芝居だったんだな・・・よかった」とほっと安心してしまったくらい。
それくらい深い深い見応えのある「わたしは真悟」の舞台でありました。

なにも恐れない純粋さが孕む恐ろしさと、その先にある破壊と奇跡が美しく描かれていることに感動します。
「コドモとの決別」がこれほど美しく残酷に描かれた作品は他にないと思います。
素晴らしい原作をこんなに幻想的な舞台で観られたことが奇跡かも・・・と思うchirosukeでありました。

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ほうろうって・・・

優しく扱ってあげないと、欠ける、はがれる。
お鍋の取っ手は熱くなる・・・。
お高い・・・。
でも綺麗なんだものっ!!