映画 「竜とそばかすの姫」


chirosukeは映画「竜とそばかすの姫」を観てまいりました。

「竜とそばかすの姫」
監督:細田守
原作:細田守
脚本:細田守

企画:スタジオ地図
作画監督:青山浩行
CG作画監督: 山下高明
CGキャラクターデザイン: ジン・キム/秋屋蜻一
CGディレクター:堀部亮/下澤洋平
美術監督:池信孝
プロダクションデザイン:上條安里/エリック・ウォン
色彩設計:三笠修
衣装: 伊賀大介/ 森永邦彦/篠崎恵美
撮影監督:李周美/上遠野学/町田啓
編集: 西山茂
音楽監督:岩崎太整
音楽: 岩崎太整/ルドウィグ・フォシェル/坂東祐大
メインテーマ:millennium parade × Belle
リレコーディングミキサー:佐藤忠治
スーパーバイジングサウンドエディター:勝俣まさとし
ミュージックスーパーバイザー:千陽崇之
キャスティングディレクター:増田悟司/今西栄介
制作: スタジオ地図

2021年 日本
配給:東宝
上映時間: 121分

https://ryu-to-sobakasu-no-hime.jp/

キャスト(声の出演)
すず(内藤鈴)/ベル:中村佳穂
しのぶくん(久武忍):成田凌
カミシン(千頭慎次郎):染谷将太
ルカちゃん(渡辺瑠果):玉城ティナ
ヒロちゃん(別役弘香):幾田りら
吉谷さん:森山良子
喜多さん:清水ミチコ
奥本さん:坂本冬美
中井さん:岩崎良美
畑中さん:中尾幸世
ジャスティン:森川智之
ひとかわむい太郎/ぐっとこらえ丸:宮野真守
すずのお母さん:島本須美
すずのお父さん:役所広司
竜:佐藤健
イェリネク:津田健次郎
スワン:小山茉美

「竜とそばかすの姫」、chirosukeの感想は・・・
前半から後半にかけて90%は、とても楽しめました。

絵もきれいだし、曲もすごく良い。
主人公「すずちゃん」が生活している自然豊かな田舎町の景色もとても美しく良い感じです。
インターネット上で、全世界で50億人以上が集う仮想世界「U(ユー)」も、迫力があります。
「サマーウォーズ」の延長線みたいな感じです。

ディズニーの「美女と野獣」の世界をモチーフに物語は進んで行きます。
幼い頃に母親を亡くしたトラウマのせいで、現実世界では大好きだった歌を人前では歌えないすずちゃんが、「U」の世界では「ベル」というアバターで圧倒的な個性と歌唱で自分を表現します。
この「ベル」の存在は魅力的です。
歌はとっても素敵で、chirosukeはベルの活躍に両手をグーでした。

「U」の世界で忌み嫌われ、恐れられている「竜」が現れて傍若無人に暴れまわります。
ベルは何故か竜に魅かれ心を通わせようとします。
世界中で、「竜」の正体を暴いて制裁を加えようとする流れの中で、ベルは身を挺して竜を庇うんですね。
chirosukeは何故ベルがここまで「竜」に関わろうとするのかが良く解りませんでした。

でも、ベルが自らの正体(アバターではない現実の姿)を世界中に曝した行動には涙が出ました。
「その光を私にあてろ!」には両手をグーで涙目。
全ては「竜」に自分を信頼してもらうためだったのですが・・・。

そして終盤10%は、現実世界の中を強引さだけで進んで行くみたいで、リアリズムが気になって仕方ないのよ・・・。
結果、薄っぺらい展開に脱力・・・。
chirosukeはちょっと別の意味で両手をグー!
あ、この展開って「おおかみこどもの雨と雪」で許せなかった設定で感じた気持ちと同じだぁ。

50憶以上のアカウントから、たった一人を探し出すなんて、まぁここのご都合主義は置いといて。
その後がchirosukeはとてもとても納得いかなかったのであります。

児童虐待に立ち向かう展開ですかぁ?
それならばまず虐待されている子供を救うことを一番に考えろ!
子供を虐待しているのがオトナならば、助けるのもオトナの役目です。
それを行政に任していたら間に合わないとかの理由で、すずちゃん(女子高生)一人で現場に行かせますか?
chirosukeからみたら、14歳も17歳もコドモです。

しかも高知県から東京まで、夜行バスにひとり乗せて土地勘の無い東京に向かわせるオトナ達、どーなってんの?
「一人で行くって・・・」とすずちゃんを送り出すオトナ達って、すずちゃんの事しか考えてないみたい。
助けなきゃいけないのは今殴られているコドモなのに、すずちゃんの自発的行動や成長を優先させている場合じゃない!
ああ・・・これだからエンタメに「行政の限界」なんかをぶち込んでくると、途端に???となってしまうのでした。

細田監督って、児童相談所とか区役所とか出したがるのよね・・・。
「おおかみこどもの雨と雪」は設定自体がchirosukeには無理でした。
「バケモノの子」でも8年間も行方不明になってて、成長してひょっこり帰ってきたコドモが「住民票」ほしいってお役所に出向くシーンがあったっけ。
ほんと中途半端なリアル描写は興覚めなのに。

「竜とそばかすの姫」は、際立った世界観のある映像と音楽、勢いのある動く絵はとても素晴らしい。
細田作品でお馴染み?のクジラも素敵です。
すずちゃんがベルとして活躍するうちに、成長していく姿も感動的です。
chirosukeが密かに「こいつは影の悪者かも・・・」と疑っていたルカちゃんもかわいかったし。
(ルカちゃんゴメン!)

なのになのに・・・
ラスト10%くらいが「なんだこりゃ」でありました。
細田さん、描きたかったのは児童虐待などの社会的テーマ・・・じゃないでしょう?
映画館を出て、頭がぐるぐる・・・のchirosukeでありました。

ほうろうって・・・

優しく扱ってあげないと、欠ける、はがれる。
お鍋の取っ手は熱くなる・・・。
お高い・・・。
でも綺麗なんだものっ!!