ジュリー・テイモア 「夏の夜の夢」 Blu-ray


chirosukeが注文していたジュリー・テイモア演出の「夏の夜の夢」Blu-rayが届きました。
有名なシェイクスピアの「真夏の夜の夢」も演劇少女のお約束であります。

「夏の夜の夢」
原作:W.シェイクスピア 
演出:ジュリー・テイモア 
音楽:エリオット・ゴールデンサール 
撮影:ロドリゴ・プリエト
振付:ブライアン・ブルックス

キャスト
パック:キャサリン・ハンター
オーベロン:デビッド・ヘアウッド
ティターニア:ティナ・ベンコ
アセンズ公シーシアス公爵:ロジャー・クラーク
アマゾン国女王ヒポリタ:オクウィ・オクポクワシリ
イジアス:ロバート・ラングドン・ロイド
ハーミア:リリー・イングラート
ディミートリアス:ザック・アップルマン
ライサンダー:ジェイク・ホロウィッツ
ヘレナ:マンディ・マスデン
ボトム:マックス・カセラ
クインス:ジョー・グラファシ
フルート:ザッカリー・インファンテ
スターヴリング:ウィリアム・ユーマンス
スナウト:ジェイコブ ・ミン=トレント
スナッグ:ブレンダン・アヴェレット
ほか

2014年、ニューヨーク・ブルックリンにある「Theatre for a New Audience(TFANA)」で上演された舞台「夏の夜の夢」の映像版です。

ジュリー・テイモアさんは、アメリカの舞台演出家・映画監督です。
ブロードウェイ・ミュージカルの「ライオン・キング」の演出でトニー賞を受賞されたことはchirosukeも知っていました。
「ライオン・キング」に関してはchirosukeはいろいろと思うところもある作品です。
個人的には内容が「ジャングル大帝」そっくりやん・・・と思っているし、もちろん某劇団の日本公演も観ておりません。
ただ、昔ニュース映像で観たブロードウェイの映像、巨大なパペットや不思議な被りものの動物たちが動き回る幻想的な舞台美術には感動しました。 

「夏の夜の夢」という面白くて不思議で愛に溢れた物語を、どう演出したのかchirosukeは興味がありました。
舞台は前評判も高く、チケットは即完売となった話題作だったそうです。
何より妖精パックを演じているのがキャサリン・ハンターさん!
これは必見です。

「夏の夜の夢」chirosukeの感想は・・・
すごく面白かったです。
キャサリン・ハンターさんすごい!
chirosukeが今まで観たキャサリン・ハンターさんは、イギリスを代表する大女優さんでありながら「おっさん」でした。
NODA・MAP 「THE BEE」英語バージョンでは、だんだん壊れていくサラリーマンのおっさん役でした。
(NODA・MAP 「THE BEE」英語バージョンについては2012年3月3日のブログをみてね)
同じくNODA・MAP「表に出ろいっ!」English version”One Green Bottle”でも、ハゲヅラを被ったおっさん役でした。
(NODA・MAP「表に出ろいっ!」English version”One Green Bottle”については2017年11月5日のブログをみてね)
おっさんにしか見えない大女優さんの演技に、chirosukeは感動しました。

そのおっさんキャサリン・ハンターさんがこの舞台では「妖精パック」にしか見えない!
しかもchirosukeが今まで観てきたどんなパックよりパックでした!
いたずら好きで、かわいくて、小さくて、うっかりもので、不気味で、愛らしい!
このパックが観られただけでBlu-ray身請けして良かったと思うchirosukeです。

舞台の映像化というより、元々映像化を意識していた造りです。
不思議で美しくて恐ろしい妖精の世界が、とても耽美な雰囲気です。
結婚を控えたアテネ公シーシアスとアマゾン国のヒポリタ。
そして、親に背いて許婚との結婚を拒否し恋人のライサンダーと森へと駈落ちをする若い娘ハーミア。
彼女を追う許婚のディミートリアスと彼に恋するヘレナ。
この二組の人間の恋人たちに加えて喧嘩中の妖精王オーベロンと女王タイターニアが登場します。
芝居の稽古のために森へやってきた6人の職人たち、そしていたずらな妖精パックの大失敗によって、もう何が何やらの恋のドタバタが巻き起こります。
夏至の夜、妖精たちと人間たちの面白くも耽美な物語が幻想的に演じられとても楽しいです。

演劇少女だったchirosukeは劇団の研修生だった時、「真夏の夜の夢」の一場面をお稽古で演じたことがあります。
演じたい役を自己申告できたのですが、まず女子がやりたがったのはパックでした。
小柄で機敏な雰囲気のパックを演じたのは、小柄で機敏な女子でした。
次に人気だったのがかわいい愛されキャラのハーミア役。
これも競争率が高かったです。
で、小柄で機敏でもなかったchirosukeがやりたかったのが、ディミートリアスに片思いし、自虐的で毒いっぱいのヘレナ役でした。
chirosukeはなんでみんなハーミアなんかやりたいんだろう・・・絶対ヘレナの方が好き!でした。

そんなchirosukeでしたが、この舞台のヘレナ役さんはすごかったです。
すらっとしたヘレナは小柄なハーミアと取っ組み合いまで演じます。
そして、パックが間違って処方した「惚れ薬」で自分を失った恋人たちはハーミアをボコボコにします。
これはchirosuke大笑いしました。
なんて斬新~!

「夏の夜の夢」はとても美しくエロチックで、ドタバタで楽しい舞台でした。
最後は全員がそれぞれ愛する人と結ばれて大団円です。

芝居の締めのパックの口上がchirosukeは大好きです。
【われら役者は影法師、皆様がたのお目がもしお気に召さずば ただ夢を見たと思ってお許しを。
つたない芝居でありますが、夢にすぎないものですが、皆様がたが大目に見、おとがめなくば身のはげみ。
私パックは 正直者、さいわいにして皆様のお叱りなくば私も はげみますゆえ、皆様も見ていてやってくださいまし。
それでは、おやすみなさいまし。皆様、お手を願います。パックがお礼を申します。】

ジュリー・テイモアの「夏の夜の夢」は素晴らしい舞台でした。
そして、キャサリン・ハンターさん恐るべし妖精パックでありました。

広告

舞台「秘密の花園」 東京芸術劇場 Roots vol.5


chirosukeは東京芸術劇場 Roots vol.5「「秘密の花園」を観てまいりました。

「Roots」というのは現代演劇のルーツと言える1960年代~70年代の優れた戯曲を、現代演劇界で活躍している若い演出家で上演するという、東京芸術劇場のシリーズ企画です。

東京芸術劇場 Roots vol.5
「秘密の花園」

http://www.geigeki.jp/performance/theater153/

2018年1月14日(日) 14:00~
上演時間:2時間30分
一幕 60分
休憩 15分
二幕 75分

東京芸術劇場 シアターイースト
座席は 全席指定 A列(最前列 中央ブロック) (6,500円)

作:唐十郎
演出:福原充則
出演
いちよ/もろは:寺島しのぶ
アキヨシ:柄本佑
かじか:玉置玲央
千賀:川面千晶
医師:三土幸敏
女:和田瑠子
殿:池田鉄洋
大貫:田口トモロヲ
中年男:福原充則

chirosukeの感想は・・・
唐十郎さんの世界に溢れた素晴らしい舞台でした。
「秘密の花園」は1982年11月に下北沢・本多劇場の杮落し公演として、唐十郎が書き下ろした戯曲です。
評価が高くアングラの傑作といわれ、唐さんの伝説的な舞台と言われてきました。

演劇少女chirosukeは、この本多劇場の公演をテレビの舞台中継で観ています。
なんだか良くわからないけど、シュールで不思議な抒情に満ちた唐さんの世界に夢中になりました。
本多劇場の杮落しで本水を使い、新しい舞台を水浸しにしたという評判は聞いていました。
唐さんってすごいなぁ、本多劇場ってやるなぁと東京に憧れを抱いていたchirosukeは思ったものです。

その後1985年大阪にできた近鉄小劇場の杮落しは「劇団第七病棟」に唐十郎さんが書き下ろした「ビニールの城」でした。
「ビニールの城」でも、舞台は大きい水槽から流れ出す水で水浸しになりました・・・。
(chirosukeはビニールの城を近鉄衝小劇場で観ています)
唐さんは「新しい劇場に『水をさす』劇作家」と言われるようになりました。

chirosukeは映像で観た「秘密の花園」の初演がとても好きでDVDを身請けしています。
初演のキャストは、いちよ/もろは:緑魔子 アキヨシ:柄本明 大貫:清水紘治 でした。
役者さんの魅力が一杯で、緑魔子さんの怪しいくらいの美しさ、初々しかった柄本明さん、どこまでも自虐的でカッコいい清水紘治さんの演技にchirosukeはドキドキしたものです。

今回、アキヨシ役を柄本明さんの息子の柄本佑さんが演じるというのですから、chirosukeは時代の流れをひしひしと感じつつも楽しみでした。
柄本祐さん、どうしてもお父さんと比べてしまいましたが素晴らしいアキヨシだったと思います。

日暮里にある古びたアパートの一室を舞台に繰り広げられる、プラトニックな愛の物語です。
プラトニックをどう定義するかでしょうが、不思議なエロティシズムに溢れたプラトニックな愛でした。
この部屋に暮らすキャバレーのホステス「いちよ」と、ポン引きの夫「大貫」、この夫婦のところに2年間通いつめ半分居候している「アキヨシ」との奇妙な三角関係が描かれています。

アキヨシにいちよが聞かせる物語にchirosukeは泣けました。
ふたりは「生まれる前の港で、契りを交わした」というのです。
寺島しのぶさんが二役で演じる「いちよ」とアキヨシの姉「もろは」が凄い。
何が凄いって演じ分けと、だんだん二人が一人になっていくみたいな恐ろしい融合感が凄いです。
どっちがいちよ?もろは?
いえ最初からいたのは一人じゃないの?
どっちがいたの?
死んだのはどっち?死んでいないのはどっち?
chirosuke頭がぐるぐるであります。
唐戯曲、相変わらず難解でリリカル!

chirosukeはセンターブロックの最前列の席でした。
休憩から戻るとシートの上にビニールシートが置いてありました。
劇場スタッフさんが「少し水がかかるかも知れませんので・・・」と説明。
chirosukeは心の中で「やったぁ~!水だよ水!」と両手をグーであります。

演出は初演とほぼ同じでした。
土砂降りの雨が嵐になり洪水になり、アパートの一室に水がざばざば流れ込んできます。
そしてボート!
部屋の中にボートが出現し、アキヨシが乗り込み、ポン引きの大貫は「乗せてくれとは言いません。ただこのボートのヘチに掴まらせてください」とchirosukeが記憶していた「ヘチ」という言葉が嬉しかったです。
水ですよ、水!
本水っていいなぁ。
水しぶきをビニールシートで避けながらもしっかり濡れてしまう最前列、最高でありました!

「かじか」を演じた玉置玲央さん。
テレビで何度か観たことはありましたが、クールな風貌からは想像し難い、血まみれでエキセントリックではっちゃけたエネルギッシュな演技にchirosukeは両手をグーです。
これってあの時代のアングラの熱でありましょう。
49段式の自転車にまたがって「秘密の花園」に向かって洪水の中を漕ぎ出すシーンは迫力でした。

舞台に何度も流れる曲は初演と同じ「ブラームスの弦楽六重奏曲第1番」です。
水に呑み込まれたアパートからアキヨシといちよはボートで船出をするのですが、プラトニックで屈折した愛の行き場所はこの世には無いのだなと思い、とても切なくなりました。
もはや、「いちよ」か「もろは」かchirosukeにはわからないけど、寺島しのぶさんの台詞がただただ美しく、ラストchirosukeはボロ泣きしてしまったのでした。

「その港には、幾人もの子どもたちが列をつくっていました。
海は蜂蜜色にとろけて、横づけした船の帆は、お母さんのように温かい風にふくらんでおりました。
・・・・」

「秘密の花園」素晴らしい舞台でした。
パンフレット 1,000円(税込) も身請けしました。
コンパクトですが稽古場写真もあって見応え充分です。
東京芸術劇場Roots企画、 東京万歳であります!

舞台「近松心中物語」


chirosukeはシス・カンパニーの舞台「近松心中物語」を観てまいりました。

「近松心中物語」

2018年1月13日(土) 18:30~
上演時間:約2時間30分
一幕 64分
休憩 15分
二幕 68分
新国立劇場 中劇場
座席は 2F 3列(最後列 中央ブロック)(7,000円)⇒招待券

作:秋元松代
演出:いのうえひでのり
出演
亀屋忠兵衛:堤 真一
遊女梅川:宮沢りえ
傘屋与兵衛:池田成志
傘屋お亀:小池栄子
丹波屋八右衛門:市川猿弥
亀屋後家妙閑:立石涼子
槌屋平三郎:小野武彦
傘屋お今:銀粉蝶

今回のチケットは何と「招待券」でした。
某プレイガイドの観劇モニター募集にダメ元で申し込んだら当選してびっくりのchirosukeであります。
土曜の夜公演だったのでラッキーでした。
座席は劇場に行くまで解らなかったのですがA席で、2Fの最後列でした。
無料なので納得でしょう。

chirosukeはこの演目を21年前、蜷川さん演出で観ています。
1997年9月近鉄劇場で、その時のキャストは、忠兵衛:坂東八十助、梅川:高橋惠子、与兵衛:大石継太、お亀:寺島しのぶ でした。
そのチケットも雑誌の懸賞に応募して当選したタダ券でした。
めったに応募自体しないchirosukeが時を経て2回も同じ演目を無料で観劇するなんて、不思議な感慨があります。

今回のいのうえひでのりさん演出の「近松心中物語」、chirosukeの感想は・・・
すばらしい舞台でした。
chirosuke後半はボロ泣きでありました。
元禄時代の大阪新町の廓を舞台にした2組の男女の物語です。

舞台装置の美しさと場面転換がすごいです。
格子戸が高く組まれた遊郭の桟には、たくさんの赤い風車がついています。
怪しくて美しいです。
盆が回ったり、遊郭のセットが反転すると格子戸そのものが忠兵衛や与兵衛の店になったり、大胆で柔軟な場面転換でした。

梅川を演じた宮沢りえさんは、とても美しいです。
冒頭の太夫の迫力美はすごい!
梅川は、遊女の格付けの中でも最低ランクの見世女郎なんですが、決して品を失わず、儚い雰囲気が良く出ていました。

堤さん演じる忠兵衛は、どうしようもなく生真面目、廓に出入りしたことも無かったのですが、ふとしたことから梅川に出会いお互い一目で恋に落ちます。
それからの忠兵衛は梅川一筋・・・。
身の上を金銭で売買され、意に沿わぬ相手に身請けされようとする梅川を、何とか自分のものにしたいと思いつめ、とうとう御用金に手を出す場面の緊張感と「追われる身」になった現実にchirosukeは泣けました。
それに気づいた梅川の、別の意味での絶望と覚悟にも・・・。

切羽詰まった忠兵衛が「これは身請けの金やぁ~」と御用金の小判をばらまくシーンでは20年前も今回もchirosukeはボロ泣きです。
chirosukeがブログ内で良く使う「身請け」という表現は、その時の忠兵衛の台詞から来ています。

世間知らずのぼんぼんが遊女に入れ込んで公金横領、あげく二人で逃避行の果ての心中もの。
親兄弟、親類縁者に多大な迷惑・・・ではありません。
そんな下世話な話じゃないのよ、これはもう「純愛」です。
どうしようもなく出会ってしまった二人の男女の覚悟、添い遂げるためには「心中」という手段を選ばざるを得なかった時代の恋が、舞台上では本当に切なく美しく描かれています。
chirosukeは舞台の美しさに泣けてしまいます。

解り切っていたことですが、公金横領が発覚して追っ手に追われて逃げる忠兵衛と梅川には悲劇しかありません。
ともに死ぬことを選ぶ二人ですが、忠兵衛と過ごした数日間が何より幸せだったという梅川の言葉にchirosukeは泣けてしようが無い。
雪の中での心中の場面は、怖ろしいまでに美しく哀しいです。

一方、もう一組の男女は、忠兵衛に50両を貸した傘屋与兵衛(池田成志)とその妻、お亀(小池栄子)です。
この二人の存在は、忠兵衛&梅川に対して笑いどころがいっぱいです。
うだつの上がらない婿養子の与兵衛と、世間知らずな箱入り娘で育った若い妻のお亀。
お亀はそれでもそんな夫を好きでたまらないんですね。
小池栄子さんの演技はすごく良かったです。
巧い!

与兵衛が忠兵衛に貸した50両は、与兵衛が独断で店の金に手をつけたものです。
貸した忠兵衛が罪人となりそれがもとで傘屋にも累が及びます。
結果、与兵衛もまた追い詰められて家を追い出されます。
義母のお今(銀粉蝶)が、この与兵衛を罵りながらも、こっそりお金を渡す場面でもchirosukeは涙目です。

お亀は、こうなったら心中しようと言いだし家出をして、曾根崎心中の地、蜆川に与兵衛を連れてくるのですがこのシーンは笑えます。
お亀は、当時流行っていた「心中」に憧れていているだけ・・・。
与兵衛は心中する気なんてさらさら無いのに、お亀の勢いに巻き込まれるという優秀不断さ。
成り行きでお亀が命を絶った後に、自分は死にきれずに生き残ってしまうんです。
なんておバカな夫婦なんだろう、可笑しくって笑っちゃうんですが同時に泣けてくるんです。
蜷川演出の時は「美しいから泣ける」と言われていましたが、いのうえ演出では「人間の業に泣ける」感じがしました。

お亀が世間知らずな若さゆえに「心中」に憧れ、また同時に夫に対する一途な愛も感じさせる小池栄子さんの演技は、本当に素晴らしいと思いました。
そして池田成志さん演じる与兵衛の優柔不断な生き様はとても滑稽です。
ふらふらしていてもどこかでもがき苦しみ、必死にあがいている姿は魅力的で憎めなかったです。
必死になっても死にきれない人間の業は、どうしようもなく哀しくもありました。
乞食坊主となりこの世を流浪しながら孤独に生きながらえる与兵衛は、心中の生き残りの罪を背負い、罰を受けているのでしょう。
できればその罪さえ、許されることを願わずにいられないchirosukeであります。

いのうえひでのりさん演出は、もっと派手なのかなぁと思っていましたが、chirosukeが観た蜷川演出と大きく違っていたようには感じませんでした。
どうしても比較しちゃう部分はありますが、どちらも素晴らしい「近松心中物語」です。
舞台のブログでchirosukeは何度か書いている言葉ですが、「名作でも上演されなければただのノスタルジー」です。
20年前に観た舞台を、今また別の演出、キャストで観て感動し涙を流すことができることは嬉しいことです。
舞台が生き物だと思う瞬間です。

劇場の奥行きを活かした、美しいラストには感動しました。
カーテンコールまで計算された粋な演出だったと思います。
雪道の果てにある新町の廓の賑わいは、一瞬の華やぎでありましょう。
忠兵衛も梅川も与兵衛もお亀も、そこに帰っていくのですね・・・。

chirosukeは江戸川乱歩の言葉「うつし世はゆめ よるの夢こそまこと」を思い出して、拍手をしながら泣いてしまったのでありました。
「近松心中物語」素晴らしい舞台でした。

パンフレット 1,000円(税込)も身請けしました。
招待券が当たったこと、本当に良かったです。
某プレイガイドよ、ありがとうです。
帰り道、chirosukeは心の中で何度も「これは身請けの金やぁ~」とつぶやいておりました。

2017年に観た舞台と映画のランキングです


chirosukeの年末のお約束、2017年に観た舞台と映画のランキングを、Excel表にしてみました。
(2016年分は2016年12月31日のブログをみてね)

今年観た舞台20本、映画22本、美術展18回でありました。
(舞台のうちバレエが1本、映像作品が2本)
去年は舞台24本、映画15本、美術展32回でしたから、映画が増えて美術展が減っています。
今年は舞台、美術展が減っていますがその分、日光、箱根旅行、朝顔市、ほおずき市、酉の市、羽子板市、谷中、小江戸川越、足立の花火大会、鎌倉、三社祭り、迎賓館など東京ならではのお出かけが増えています。

chirosukeは楽しみのために、お仕事の合間の時間とお金をやりくりして劇場に行きます。
毎回ですが「きらいなものをきらいというより、好きなものを好きだと言おう」がモットーのブログなので、今回も★マークで振り返ってみました。

2017年舞台ランキング表です。
chirosukeの「良かった舞台」の定義は「同じチケット代でもう一度同じ舞台を観たいか?」です。
★の数で記載しました。
(チケット料金は割引・オークション等実際に購入した金額で記載しています。手数料や送料等は入っていません。)
★★★・・・無理しても観たい(チケット代を何とか工面してでも時間作って観たい)
★★・・・機会があれば観たい(お金と時間に少し余裕があれば観たい)
★・・・余裕あれば観たい(たまたまお金もあって暇ならば観たい)

スーパー歌舞伎Ⅱ(セカンド) 「ワンピース」は、素晴らしい再演でした。
chirosukeが観劇した翌日の公演で猿之助さんが大怪我をされ驚きました。
大変心配でしたが、その後順調に回復されているようで良かったです。
猿之助さんの舞台にかける熱い思いと、その思いを受けて代役公演を続行した役者さん達、スタッフさん達にも感動しました。
まさに役者魂ですね。

「め組の喧嘩」はシネマ歌舞伎で観ることができました。
映像の中で生き生きと演技している中村勘三郎さんにchirosukeは泣きました。
(舞台の映像作品は「舞台」にカテゴライズしています。)

ミュージカル「私は真悟」は素晴らしい舞台でした。
楳図かずお先生の世界が、あんなに怖ろしく切なく美しく描かれている舞台に感動し、chirosukeは2回観ました。

野田秀樹さんの新作「足跡姫」では、役者が魂で演じる凄味を感じました。
東京では毎年NODA・MAPのお芝居を観られることが嬉しいです。
歌舞伎「野田版 桜の森の満開の下」は素晴らしかったです。
一等席で3回観劇できましたが、チケット貧乏がキツかったです。

ブロードウェイミュージカル「ファインディング・ネバーランド」は予期せず大感動し、これも2回観ました。
お高いチケットの複数回身請けが続きチケット貧乏が続いた一年でしたが、舞台でしか表現できない美しい世界を観ることができたのでチケット貧乏には耐えるchirosukeであります。

バレエは1公演を観ました。
Kバレエカンパニーの「ピーターラビット」の世界は本当に楽しかったです。
精巧な着ぐるみをまとって踊る動物たちにchirosukeは涙目でありました。

2017年映画ランキング表です。
chirosukeの「良かった映画」の定義は「通常価格1,800円で満足できたか」です。
こちらも★の数で記載です。
★★★・・・1,800円でも満足(これは絶対映画館で観ないと損)
★★・・・割引デー(1,000円程度)なら納得(映画館で観る価値はあり)
★・・・TVで充分(わざわざ映画でなくても・・・)

「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」の双子にはやられました。
「ラ・ラ・ランド」は素晴らしい作品でした。
元演劇少女のchirosukeは号泣であります。
「メッセージ」はchirosukeの中では「トラルファマドール星人」のお話しで感動です。
「ワンダーウーマン」は殆ど期待せずに観ましたが、とても楽しめました。
「パイレーツ・オブ・カリビアン」もそうですが、荒唐無稽を徹底した世界観で見せてくれるハリウッドに脱帽です。
「IT」はほぼ原作通りで良かったです。続編に期待。
「ブレードランナー2049」の映像美、そしてハリソン・フォードに両手をグーでした。
そして毎回chirosukeは「なぜ、こんな作品が日本じゃつくれないんだ・・・」と思ってしまうのでした。

美術展は展示内容がバラエティに富んでいるので今回もランク付けは無しです。
一覧表だけ作成しました。
(チケット料金は割引適用後、特典付きチケットの場合はその料金で記載しています)

ブリューゲルの「バベルの塔」は展示方法が素晴らしいと思いました。
「オサビサン展」では鎌倉まで行きましたが、アンノ邸に入れたことがいまだにびっくりのchirosukeであります。
静嘉堂文庫美術館で初めて観た「国宝・曜変天目」の美しさに魅了されました。
喜多川歌麿の肉筆画の大作「深川の雪と吉原の花」を観るために箱根まで行きましたが、素晴らしかったです。
「怖い絵展」では、寒空の下3時間以上並びましたが、「レディ・ジェーン・グレイ」の衝撃的な美しい姿に圧倒されそうになりました。

リサーチ不足で深堀隆介さんや落田洋子さんの個展を見逃してしまったことは残念・・・。
来年はしっかりリサーチであります。
chirosukeは来年も引き続き、座右の銘
「ええかげんは芸の神髄、意味づけは時の権力」
「人生は深刻だが、芸術は楽しい」
でやっていきます。

来年の舞台のチケットは唐十郎さんの「秘密の花園」を取っています。
バレエは数年前にロイヤルバレエの来日公演で観たクリストファー・ウィールドン振付「不思議の国のアリス」が、新国立劇場バレエ団で11月に上演されます。
これは観たいかな。

来年も、心の奥に届く美しいもの、楽しいものに出会えますように!

シネマ歌舞伎 「め組の喧嘩」


chirosukeは東銀座の東劇に、シネマ歌舞伎「め組の喧嘩」を観にいってまいりました。

シネマ歌舞伎とは、松竹さんが開発した新しい観劇方法です。
歌舞伎の舞台公演をHD高性能カメラで撮影しスクリーンで上映するというもので、スクリーンではありますが「映像美」と「臨場感」はすごいです。
chirosukeは数作品をシネマ歌舞伎で観ていますが毎回感動するし、歌舞伎を2,100円で観られるのも魅力だと思います。

シネマ歌舞伎
「め組の喧嘩 (めぐみのけんか)」

上演月:2012(平成24)年5月
上演劇場:平成中村座
シネマ歌舞伎公開日:2017(平成29)年11月25日
上映時間:103分
料金:一般 2,100円(税込)

【配役】
め組辰五郎:中村 勘三郎
辰五郎女房お仲:中村 扇雀
四ツ車大八:中村 橋之助
露月町亀右衛門:中村 錦之助
柴井町藤松:中村 勘九郎
おもちゃの文次:中村 萬太郎
島崎抱おさき:坂東 新悟
ととまじりの栄次:中村 虎之介
喜三郎女房おいの:中村 歌女之丞
宇田川町長次郎:市川 男女蔵
九竜山浪右衛門:片岡 亀蔵
尾花屋女房おくら:市村 萬次郎
江戸座喜太郎:坂東 彦三郎
焚出し喜三郎:中村 梅玉

「め組の喧嘩」、chirosukeの感想は・・・
とても面白かったです。

中村勘三郎さんが心血を注ぎ、「平成中村座」として江戸の芝居小屋を現代に復活させました。
東京・浅草で行われた初のロングラン公演の最後を飾る2012月5月の公演の映像です。
勘三郎さんは「め組辰五郎」が初役だったそうです。
めちゃめちゃ江戸っ子です!
「火事と喧嘩は江戸の華!」なんですね。

浜松町にある「め組の喧嘩」の観光案内板です。
(Sちゃん、写真ありがとう~)

お話は、文化二年二月(1805年3月)に起きた町火消し「め組」の鳶職と江戸相撲の力士たちの乱闘事件が題材です。
まんま「喧嘩」のお話し。
喧嘩の理由がいかにも江戸っ子です。
そして勘三郎さんの台詞は「ひ」を「し」と発音されてました。
江戸っ子、芸が細かいっ!

品川の料亭で、力士の四ツ車大八と「め組」の若い者がささいなことから口論となります。
居合わせた「め組」の頭辰五郎親分の仲裁で一旦おさまるんですが、同席していた四ツ車の贔屓の武士が「力士と鳶風情では身分が違う。」との言葉に辰五郎は腹を立てます。
「角力だって鳶の者だって同じ人間だ。そんなに安くしなさんな。」
chirosukeはここで「おおっ!ヴェニスの商人のシャイロックじゃないか!」と思いました。

きっかけは些細な小競り合いだったのが、鳶の面子を守るために辰五郎は単身で仕返しに及びますが、互いが面子をかけて引かず、結果鳶衆と力士たちの喧嘩になってしまいます。
辰五郎は町火消しの意地から命がけの喧嘩を決意します。
妻子に別れを告げ、颯爽たる姿で喧嘩に向かう辰五郎、勇ましいです。
男だなっ!

この大喧嘩がすごい!
喧嘩っ早い鳶たちが走る走る、はしごをタタタッと全速力で駆け上がる、塀にスピーディによじ登る、塀から飛び降りる、トンボをきる!
chirosuke、両手をグーであります。
力士も豪快な力技で、双方とも真剣勝負、生きのいい喧嘩っぷりが見せ場です。
最後は焚出しの喜三郎が梯子を使って喧嘩の真ん中に分け入って両者を押しとどめるのですが、「平成中村座」の舞台はあっと驚く演出で、役者と客席が一体化して感動的です。

このラストからエンディングの映像は泣きます・・・。
勘三郎さんの活き活きとした姿が、もう映像でしか観られないのだと思うとchirosukeは涙がポロポロです。
「め組の喧嘩」は、江戸っ子の「粋」がいっぱいの楽しい舞台でした。

舞台「表に出ろいっ!」English version”One Green Bottle”


chirosukeは舞台「表に出ろいっ!」English version”One Green Bottle”を観てまいりました。

「表に出ろいっ!」English version”One Green Bottle”
 英語上演・イヤホンガイド(日本語吹き替え)付

http://www.geigeki.jp/performance/theater143/

2017年11月5日(日) 14:00~
上演時間:1時間20分
*休憩無し

東京芸術劇場 シアターイースト
座席は 全席指定 A列(最前列 中央ブロック) (6,000円)

作・演出:野田秀樹
英語翻案:ウィル・シャープ
演奏:田中傳左衛門

出演:
父 キャサリン・ハンター(Kathryn Hunter)
娘 グリン・プリチャード(Glyn Pritchard)
母 野田秀樹(Hideki Noda)

chirosukeの感想は・・・
とても面白く、実験的な舞台だと思いました。

キャストは3人。
野田さんと二人のイギリス人俳優さん。
全て英語で演じられます。
イヤホンガイドがあったので中学英語のchirosukeでも大丈夫でした。

イギリス人俳優+野田さん、英語劇と言えば「THE BEE」英語バージョンがありました。
(「THE BEE」英語バージョンについては2012年3月3日のブログをみてね)

今回も「THE BEE」と同じ俳優さん、キャサリン・ハンターさんとグリン・プリチャードさんが出演されていました。
この二人・・・すごいわ。
父親を女性のキャサリン・ハンターさんが演じ、若い娘役はグリン・プリチャードさんです。
で、母親役が野田さん。

この舞台では性別、年齢、人種、言葉は全く壁になっていません。
chirosukeが実験的だと感じたのは、敢えて常識を覆したキャスティングです。
最初は怪演だと感じるんですが、だんだん違和感なくなるから不思議です。

キャサリン・ハンターさんは厳格な父親のカリカチュアともいえる「ハゲヅラ」を被っています。
娘の登場には度肝を抜かれました。
グリン・プリチャードさん、でかっ!
紫のロングヘアーとキテレツな衣装が・・・宇宙人みたい。
でも若い娘に見えてくるんだもの。

座席表と配布されていたパンフレットです。

舞台で演じられるのは「狂気」です。
で、コメディです。
笑います。
で、だんだん笑っていられなくなります。
些細な自己主張がバカバカしい策略に発展し、不条理な破滅に向かう救いのないお話しです。

「表に出ろいっ!」は2010年秋、NODAMAP番外公演として東京芸術劇場で初演されました。
残念ながら初演はchirosuke観ていません。
7年後に英語劇として再演されたのが”English version”One Green Bottle”です。

「THE BEE」の時のような、痛みに共感していくような息詰まる緊張感はありません。
エキセントリックな登場人物の行動に時には大笑いします。
けれどベースが狂気なので、次第に大きくなる嫌な予感に心がざわっとします。
ああ、やっばり・・・救いのない結末になる予感的中です。

外からもたらされた悪意によって狂気が増幅していくのが「THE BEE」でした。
今回の「One Green Bottle」は元々家族の中に存在していた狂気が、些細なきっかけと自己中心的な行動や嘘を発端に暴かれて行くという感じでした。

劇場ロビーに展示されていた舞台装置の模型です。
作調には、歌舞伎囃子方田中流家元の十三代目田中傳左衛門さんが参加されていました。
舞台上手端に座られ、音を合わせていました。

父、母、娘の三人家族の物語です。
その夜、三人はそれぞれ絶対に外出しなくてはならない理由がありました。
でも飼い犬が出産間近とあって、誰かが家に残り、面倒を見なくてはならない状況でした。
嘘や甘え、権威、裏切り、あの手この手を使って、それぞれが他の二人を出し抜き、なんとか家を抜け出そうとします。
その過程で各個人の「信じるもの」「物差し」「優先順位」が明らかになっていき、狂気が充満したあげく、事態はとんでもないことになっていきます。

どこから出してきたのかと驚く大きな「鎖」の登場でchirosukeは狂気が飽和状態になったんだと思いました。
このメタファーのような「鎖」が一人で家を出ようとする各々を物理的に家族として縛ってしまいます。
chirosukeは最前列で観ていたので、役者さんの表情まで良く見えました。

もはや外出したかった目的さえどうでも良くなり、外出を阻んでいた飼い犬も出産を終えてしまいます。
それなのに鎖につながれ、誰一人家から出ることができない。
暑い室内、水も飲めない(鎖が水場に届かない)、助けも呼べない、携帯は諍いの中で破壊され、電話やインターフォンは最初の苛立ちの中で壊されています。
生まれたばかりの仔犬と母犬も出産後にケアがされず悲惨な最期・・・。
残された三人の表情は、何でこんなことになってしまったんだろうという不条理に対する疑問、後悔、諦め、絶望に変わっていきます。

終演後、ロビーで上演台本
を身請けしました。
英語で日本語対訳で解りやすいです。

・上演台本 1,000円(税込)

家族の秘密や個人のエゴが曝されていくと、家族ならではの繋がりが、裏切り、中傷、非難となり根深い狂気が揮発性の物質みたいに広がっていくようでした。
父親、母親、娘、それぞれが自分の役割を最大限に利用しています。
まさに演じている。
chirosukeは野田さんのキャスティングに納得しちゃいました。
元々家族の中で役割を演じているのだから、性別、年齢、人種、言葉なんか関係ないのかぁ。
父親役は父親を、母親役は母親を、娘役は娘を演じれば良いわけですから。

「表に出ろいっ!」というタイトルが、不条理で救いの無いアンビバレントな家族の結末を予感させることに気が付いたchirosukeであります。
野田さん演じる母親が鎖に繋がれたまま、床下に隠していた結婚指輪を取り出すシーンでchirosukeちょっと涙目になりました。
最前列で観られて良かったです。

スーパー歌舞伎Ⅱ(セカンド) 「ワンピース」 2017年新橋演舞場


chirosukeは新橋演舞場に「スーパー歌舞伎Ⅱ(セカンド)ワンピース」を観に行ってまいりました。

http://www.onepiece-kabuki.com/

新橋演武場
2017年10月8日(日)昼の部
午前11時開演

座席は1等席 16,500円
1階4列 下手ブロック(花道寄り)

上演時間(夜の部) 4時間15分
ワンピース 第一幕(50分)16:30-17:20
幕間 30分
ワンピース 第二幕(65分)17:50-18:55
幕間 25分
ワンピース 第三幕(85分)19:20-20:45

原作:尾田栄一郎
脚本・演出:横内謙介
演出:市川猿之助

「配役」
ルフィ/ハンコック 市川 猿之助
白ひげ 市川 右團次
ゾロ/ボン・クレー/スクアード 坂東 巳之助
サンジ/イナズマ 中村 隼人
マルコ/サディちゃん 尾上 右近
ナミ/サンダーソニア 坂東 新悟
はっちゃん/戦桃丸 市川 弘太郎
アバロ・ピサロ 市川 寿猿
ベラドンナ 坂東 竹三郎
ニョン婆 市川 笑三郎
ジンベエ/黒ひげ(ティーチ) 市川 猿弥
ニコ・ロビン/マリーゴールド 市川 笑也
マゼラン 市川 男女蔵
つる 市川 門之助
エース/シャンクス 平 岳大
ブルック/赤犬サカズキ 嘉島 典俊
イワンコフ/センゴク 浅野 和之

chirosukeは、スーパー歌舞伎Ⅱ(セカンド)「ワンピース」を今までに4回観ています。
2015年新橋演舞場で2回、2016年大阪松竹座で2回です。
大好きな舞台で、再演を心待ちにしておりました。

今回第二幕の終盤、「TETOTE」が流れ最も盛り上がる場面を通称「ファーファータイム」というそうです。
「TETOTE」を「ゆず」が歌うというのも楽しみでした。

そして何とファーファータイムで盛り上がるためのグッズ「スーパータンバリン」なるものが会場限定で発売されます!
え?タンバリン?
それってあのタンバリン・・・?
劇場で売ってるって、みんなホントに買うの?
ちょっとタンバリンという普段の生活にあまり馴染みのないアイテムにchirosuke、ドキドキでありました。

シン・ゴジラの発声上映会でサイリウムを振り回したchirosukeですもの、タンバリンを扱えなくてどうする!
chirosukeは劇場に行ってすぐに「スーパータンバリン」を身請けいたしました。
楽しそうだし、こういうのは楽しんだモノ勝ちですもの。
そのタンバリンを振り回すのだ、chirosukeよ!

■スーパータンバリン(オリジナル台紙付き)
価格:900円(税込)
発売:10月6日(金)~11月25日(土) 
※公演期間中のみ新橋演舞場にて限定発売

このスーパータンバリンは、原作の尾田栄一郎先生の直筆の商品名と、描き下ろしイラストがプリントされた限定版なんですって。
パッケージにも猿之助ルフィの写真とともに、尾田先生直筆の「Far Far Time(ファーファータイム)で盛り上がろう!」の文字と、描き下ろしイラストが入っています。
シンバルの色は歌舞伎の定式幕をイメージしたカラフルな仕様です。

まぁ、プラスチックのおもちゃ感が良いですね。
本格的なタンバリンだったらマジ扱いをどうしようかと思ってしまいます。
900円という身請け額は・・・勢いでありましょう。

ファーファータイムだけに使用するタンバリン。
使い方は幕間に映像で、市川笑野さん:マーガレットと市川猿紫さん:スイトピーがタンバリンのCMやってくれます。

このマーガレットちゃん&スイトピーちゃんって・・・かわいいんです。
物販、がんばっております。
なかなか気合いの入ったCMでした~。

スーパー歌舞伎Ⅱ(セカンド)「ワンピース」、chirosukeの感想は・・・。
やっばりめちゃめちゃ面白かったです!

座席が花道の下手だったので、花道の演技では役者さんのほぼ後姿だったのが残念だったけど、巳之助さん演じる「ボン・クレー」は表情までとても良く観えました。
前方だったので本水の場面では、結構水しぶきが飛んできたしワクワクです。

全体的にテンポが良く、すっきりした演出でわかりやすくなっていました。
猿之助さんは心からルフィを楽しんで演じておられるようでした。
ハンコックがゴージャス!
衣装がすごい~。
エース役の平岳大さんがとてもカッコ良かったです。
巳之助さんのボン・クレーは完璧だし、浅野さんのイワンコフ様も最高です。
驚いて、笑って、ボロ泣きした素晴らしく楽しい舞台でありました。

1幕目のアマゾン・リリーのシーンで、「今ロビーからの情報でなんとスーパータンバリンが203個しか売れていないそうですっ!」
「ええっ!」
「2幕目が始まる前に買っておいてね~」
「タンバリンでシャンシャン、パンダもシャンシャン~」と歌いながら下手に引っ込んだ役者さんたちにchirosukeは唖然・・・。
でも爆笑であります。

あと、2幕目でオカマさんたちが「みんな、スーパータンバリンの用意は良い?」っいうからchirosukeも周りのお客さんたちと一緒にバッグが出して持ち上げていたら、「今出すんじゃね~よ!ファーファータイムで使うんだよ!」とオッサンに戻ったオカマさんに怒られました。
タンバリンを仕舞って置くミニトートーバッグもあるらしい。
もうみんなやりすぎでしょ?と思うくらい大笑いですよ~。

そして、ファーファータイム、chirosukeも精一杯タンバリンを振り回しました。
めちゃめちゃ楽しかったです!
筋書も身請けしました。

スーパー歌舞伎Ⅱ(セカンド)「ワンピース」は、素晴らしい舞台です。
chirosukeはチケット貧乏ですが、可能ならもう一度観たいと思います。
今度は上手で観たいなぁ。
「スーパー・タンバリン」もまた使いたいと思います。

【追記】
10月9日(月・祝)、スーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』(昼の部11時開演 1回公演) に出演されていた市川猿之助さんが、カーテンコールの途中、花道にある舞台機構で降下する際に、衣裳の一部が昇降装置に絡まり左腕を骨折されたというニュースが!

ルフィ・ハンコック : 尾上右近
サディちゃん : 坂東新悟
マルコ : 中村隼人
この配役で公演を継続されるそうです。
猿之助さん、はやく元気になって復帰されることを願っています。
そして、みんな頑張って~!

ブロードウェイミュージカル「ファインディング・ネバーランド」(2回目)


chirosukeは渋谷のシアターオーブに、ブロードウェイミュージカル「ファインディング・ネバーランド」2回目を観に行ってきました。

ブロードウェイミュージカル「ファインディング・ネバーランド」
2017年9月16日(土)
18時00分~
シアターオーブ

http://findingneverland.jp/index.php

上演時間 : 約2時間30分
第1幕 18:00〜19:10 (70分)
休 憩 20分
第2幕 19:30〜20:30 (60分)

座席はS席 1階24列 中央ブロック上手通路端
(13,000円)

作詞・作曲:ゲイリー・バーロウ/エリオット・ケネディ
脚本:ジェームズ・グラハム
演出:ダイアン・パウルス
振付:ミア・マイケルズ

出演:アメリカ・カンパニー
※生演奏、英語上演、日本語字幕あり

J.M.バリ:ビリー・タイ(BILLY HARRIGAN TIGHE)
シルヴィア・ルウェイン・デイヴィス:クリスティン・ドワイヤー(CHRISTINE DWYER)
チャールズ・フローマン/ジェームズ・フック船長:ジョン・デイビッドソン(JOHN DAVIDSON)
デュ・モーリエ夫人:カレン・マーフィー (KAREN MURPHY)
ピーター、ジャック、マイケル:ターナー・バーシセル(TURNER BIRTHISEL)
ジョージ、ピーター、ジャック:コナー・ジェームソン・ケイシー(CONNOR JAMESON CASEY)
ピーター、ジャック、マイケル:ワイアット・シルブス(WYATT CIRBUS)
ジョージ、ピーター、ジャック:バーグマン・フリードマン(BERGMAN FREEDMAN)
ジャック、マイケル:タイラー・パトリック・ヘネシー(TYLER PATRICK HENNESSY)
ジョージ、ピーター、ジャック:コリン・ウィーラー(COLIN WHEELER )

クリスティーナ・ベレンスキー (CHRISTINA BELINSKY)
ケイトリン・コーエル (CAITLYN CAUGHELL)
サラ・マリー・チャールズ (SARAH MARIE CHARLES)
エイドリアン・チュウ (ADRIANNE CHU)
カルヴィン・L・クーパー (CALVIN L. COOPER)
ドウェルヴァン・デイビッド (DWELVAN DAVID)
ネイサン・ダスツニー (NATHAN DUSZNY)
ヴィクトリア・ヒューストン・エレム(VICTORIA HUSTON-ELEM)
トーマス・ミラー (THOMAS MILLER)
ノア・プロムグレン(NOAH PLOMGREN)
ウィル・レイ(WILL RAY)
クリスティン・リース (KRISTINE REESE)
コーリー・リーヴス(COREY RIVES)
ディ・トマセッタ(DEE TOMASETTA)
マット・ウォルペ (MATT WOLPE)
メリッサ・ハンター・マッカン (MELISSA HUNTER McCANN)
コナー・マックロイ (CONNOR McRORY)
マシュー・クイン(MATTHEW QUINN)

先週観た舞台がすごくすごく良かったので、チケット貧乏に負けずどうしてももう一度観たくなったchirosukeであります。
(一回目の「ファインディング・ネバーランド」については2017年9月9日のブログをみてね)

前回のブログにchirosukeは書きました。
「舞台は好き嫌いです。
もしこの舞台が嫌いだという人がいたらそれはその人の勝手ですが、きっとchirosukeとはお友達にはなれないと思います。」
で、お友達のSちゃんを半ば強引に誘いました。
Sちゃんは「ピーターパンはあんまり好きじゃないし、バレエはちょっと・・・」と及び腰でしたが、「ピーターパンの物語の前の話だし、バレエじゃなくてミュージカル!」とchirosukeはS席を2枚ゲットであります。

前回は前から2列目でしたが、今回は1Fの後方の席でした。
中央ブロックで全体が観えたのでまずまずの席でした。

今回もchirosukeはボロ泣き・・・。
本当に素晴らしい舞台です。
1幕目が終わって休憩時間、chirosukeはSちゃんに「どう?」と訊くと「すごく楽しい!」と声が帰ってきて、ああ良かった!
大切なお友達を失くさずに済みました・・・!

1回目、曲は殆ど覚えられなかったのですが、2回観たらフレーズもすっと頭に入ってきました。
劇中劇でピーターパンが演じられますがお約束のティンクが死にかける場面。
「妖精を信じる子供は手を叩いて!」ではchirosukeは泣きながら拍手です。

4人の子供たちの母親シルヴィアがピーターパンに連れられてネバーランドに旅立つシーンは、最高に美しく哀しいです。
chirosukeはボロ泣きでしたが、シルヴィアはウェンディになったんだなと思ってまたまた涙です。

この舞台、泣きはしますが笑いどころもいっぱいです。
劇場の支配人フローマンが次の演目をバリと相談するシーン。
「ミュージカル?」「・・・・」
「ミュージカル・コメディ?」「最低の芸術だ!」
この反骨精神に溢れた自虐ネタにはchirosuke大笑いです。

トニー賞がかすりもしなかったらしいけど、こんな素晴らしい舞台、よくぞ日本に来てくれました!
素晴らしい夢をありがとうでした。

「ファインディング・ネバーランド」は、2019年に日本人キャスト版が上演されるらしいです。
バリ役には石丸幹二さんが決定しているんですって。
石丸さん、歌うまいしね~。
ちょっと観てみたい気もしますが、chirosukeがおいしい役だと思ったのが「エリオット」です。
誰が演じるのかなぁ、エリオット。
ブロードウェー版も再演希望のchirosukeであります。

今回もカーテンコールのみ撮影可能でした。
観客総立ちのスタンディングオベーションです。
素晴らしい舞台に観客が応えるのは拍手だけです。
心からの拍手を送ったchirosukeでありました。

素晴らしい舞台を2回も観ることができました。
東京万歳!

ブロードウェイミュージカル「ファインディング・ネバーランド」


chirosukeは渋谷のシアターオーブに、ブロードウェイミュージカル「ファインディング・ネバーランド」を観てまいりました。

ブロードウェイミュージカル「ファインディング・ネバーランド」
2017年9月9日(土)
13時00分~
シアターオーブ

http://findingneverland.jp/index.php

上演時間 : 約2時間30分
第1幕 13:00〜14:10 (70分)
休 憩 20分
第2幕 14:30〜15:30 (60分)

座席はプレミアム席 1階2列 中央ブロック下手通路端
(15,000円)
*公演プログラム1冊付き

作詞・作曲:ゲイリー・バーロウ/エリオット・ケネディ
脚本:ジェームズ・グラハム
演出:ダイアン・パウルス
振付:ミア・マイケルズ

出演:アメリカ・カンパニー
※生演奏、英語上演、日本語字幕あり

J.M.バリ:ビリー・タイ(BILLY HARRIGAN TIGHE)
シルヴィア・ルウェイン・デイヴィス:クリスティン・ドワイヤー(CHRISTINE DWYER)
チャールズ・フローマン/ジェームズ・フック船長:ジョン・デイビッドソン(JOHN DAVIDSON)
デュ・モーリエ夫人:カレン・マーフィー (KAREN MURPHY)
ピーター、ジャック、マイケル:ターナー・バーシセル(TURNER BIRTHISEL)
ジョージ、ピーター、ジャック:コナー・ジェームソン・ケイシー(CONNOR JAMESON CASEY)
ピーター、ジャック、マイケル:ワイアット・シルブス(WYATT CIRBUS)
ジョージ、ピーター、ジャック:バーグマン・フリードマン(BERGMAN FREEDMAN)
ジャック、マイケル:タイラー・パトリック・ヘネシー(TYLER PATRICK HENNESSY)
ジョージ、ピーター、ジャック:コリン・ウィーラー(COLIN WHEELER )

クリスティーナ・ベレンスキー (CHRISTINA BELINSKY)
ケイトリン・コーエル (CAITLYN CAUGHELL)
サラ・マリー・チャールズ (SARAH MARIE CHARLES)
エイドリアン・チュウ (ADRIANNE CHU)
カルヴィン・L・クーパー (CALVIN L. COOPER)
ドウェルヴァン・デイビッド (DWELVAN DAVID)
ネイサン・ダスツニー (NATHAN DUSZNY)
ヴィクトリア・ヒューストン・エレム(VICTORIA HUSTON-ELEM)
トーマス・ミラー (THOMAS MILLER)
ノア・プロムグレン(NOAH PLOMGREN)
ウィル・レイ(WILL RAY)
クリスティン・リース (KRISTINE REESE)
コーリー・リーヴス(COREY RIVES)
ディ・トマセッタ(DEE TOMASETTA)
マット・ウォルペ (MATT WOLPE)
メリッサ・ハンター・マッカン (MELISSA HUNTER McCANN)
コナー・マックロイ (CONNOR McRORY)
マシュー・クイン(MATTHEW QUINN)

chirosukeの感想は・・・
めちゃめちゃ感動しました!
すごく良かったです。
chirosukeの大好きがいっぱいの素晴らしい舞台でした。

ピーターパンの作者、ジェームズ・バリがどのようにして物語を作り上げたのを、実話に基づいて描かれたブロードウェイミュージカルです。
chirosukeはジョニー・デップ主演の映画「ネバーランド」も観ていません。
内容も殆ど知らず、まぁピーターパンは好きなので行ってみようかな、くらいの軽い気持ちでした。
知っている役者さんもいないし、ブロードウェィだからハズレは無いかなぁ、程度の期待値でした。
チケットを身請けしたのが数か月も前で、プレミアムチケット(公演プログラム付、良席確約)を取っていたことさえ忘れていたくらいです。
S席が13,000円のところプレミアム席は15,000円です。
プログラムが付く分ちょこっとお得なのかなぁと思ってロビーでチケットを見せて、プログラムと交換したらまさかの2,000円!
え~、ちっともお得感がないやん・・・ちっ・・・と一瞬心が黒くなったくらいです。

お昼をコンビニおにぎりで済ませ、トイレの場所を確認し(大劇場では大切!)、座席に座っていました。
前から2列目の良席でしたが、女子トイレは客席の反対側の扉です。
これは休憩時間はトイレの長蛇の列になるなぁと少しがっくり。
そもそも何でプレミアムチケットなんか身請けしたんだろう。
まあまあの舞台だったら2,000円もするプログラムは身請けしないし、お得感がないならS席でも良かったのにと、ブログラムもぱらっと眺めてバッグに仕舞っていたくらいです。
chirosuke、この舞台を完全になめておりました。
ゴメンなさい!

幕が開いてすぐケンジントン公園の場面でchirosukeは「ええええっ!!??なにこの楽しさ!」と驚き、目の前で展開される素敵な世界に没頭していました。
犬(生き犬)と子供が登場します。
これは卑怯・・・ですがコドモ達の演技が半端無い!
chirosuke涙目であります。
上演は全て英語で、舞台の上手・下手サイドに日本語字幕が流れます。
中学英語のchirosukeですが、言葉は理解の壁にはなりませんでした。

役者さんたちが生き生きと演じ歌い踊る舞台は、chirosukeが見たことはないけど1900年代初頭の「ロンドン」でありました。
役者さん達の歌がすごい!
聴いているだけでもう拍手と一緒に涙がでそうです。

そして圧巻の一幕目の終盤!
フック船長率いる海賊たちがスランプで自分を見失いつつあるバリを鼓舞します。
このシーンは凄いです。
「フックを指針にしろ!」と叫ぶフック船長ですが「指針」という言葉も説得力があります。
海賊たちの力強い動き、背景に流れる大海原、大砲のズシンとする音と振動が客席までビリビリと伝わってきました。
chirosukeは感動で涙がポロポロです。

すごい舞台・・・。
chirosukeの座右の銘「人の想像力は素晴らしい。それをかたちにすることはもっと素晴らしい」が何度も語られ歌われます。
20分の休憩はchirosuke頭がボーッとしていました。
全く期待もしていなかった、予想外の素晴らしい世界の虜になっていました。

第二幕はもっとすごい!
劇中の「Play」という曲に大感激しました。
「Play」には遊びという意味にプラスして演技とか演劇という意味があります。
この歌詞がまさに、「なぜ芝居をするのか?」とダイレクトに問いかけてきました。
「みんな遊びたくて役者になったんだろ?」うんうんわかる!
chirosukeの大好きなマザーグースがいっぱい出てきました。
演劇少女だったchirosukeはすごく共感!
そして、人はいつまでも子供のままではいられないという事実を、鮮やかにひっくり返してくれる。
素敵な舞台です。

感動とか実話とかそんなの関係なく、もっと心の奥に響いてくるような物語です。
そして心の中から何かが立ちあがってくるような、なんというか「元気」になれる。
とても哀しい物語なんだけど、同時に力強くて美しいです。
ここでもchirosukeの持論「人生は深刻だけど芸術は楽しい」が思い起こされました。

少年ピーターが、「ピーターパンは僕じゃない。この人だ。僕は名前を貸しただけだ」とバリを指さすシーンには泣けました。
自分の夢や希望を捨てることが大人になることではない、「想像」が生み出す世界をつくることができる大人が素晴らしいです。
物語(ファンタジー)の力はすごい。
ピーターパンは永遠に大人にならない少年です。
ネバーランドは「無い無い国」ですが、見えないだけで想像の世界にはきっとあるのですね。
ネバーランドへの道順は「二つ目の角を右に曲がって、それから朝までまっすぐ」ですもの。

「ファインディング・ネバーランド」には、舞台を作り上げることの素晴らしさ、舞台そのものの魅力がしっかり描かれていました。
そして舞台に夢を追う観客に対しても同じです。
これは「名作」だとchirosukeは思います。
観なかったら絶対損する舞台のひとつです。

いくつかの舞台を観てchirosukeが思ったのと同じ言葉を書いておきたいと思います。
「舞台は好き嫌いです。
もしこの舞台が嫌いだという人がいたらそれはその人の勝手ですが、きっとchirosukeとはお友達にはなれないと思います。」

*カーテンコールのみ写真撮影可能でした。

舞台 「ワーニャ伯父さん」 シス・カンパニー


chirosukefは新国立劇場 小劇場に「ワーニャ伯父さん」を観に行ってまいりました。

「ワーニャ伯父さん」
2017年9月3日(日)
13時30分~
新国立劇場 小劇場

上演時間 : 約2時間30分
第1幕 13:30〜14:36 (66分)
休 憩 15分
第2幕 14:51〜15:57 (66分)

座席はS席 1階C4列下手ブロック通路側
(8,500円)
座席はC列ですが前から10列目でした。

作:アントン・チェーホフ
上演台本・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:
ワーニャ伯父さん:段田安則
エレーナ: 宮沢りえ
ソーニャ:黒木華
セレブリャーコフ: 山崎一
アーストロフ:横田栄司
マリーナ:水野あや
下男:遠山俊也
ヴォイニーツカヤ夫人:立石涼子
テレーギン:小野武彦
[ギター演奏]伏見蛍

美術:伊藤雅子
照明:関口裕二
衣装デザイン:伊藤佐智子
音響:水越佳一
ヘアメイク:宮内宏明
演出助手:坂本聖子
舞台監督:瀬﨑将孝
プロデューサー:北村明子

ケラリーノ・サンドロヴィッチさん演出によるチェーホフの四大戯曲上演第三弾です。
chirosukeは第一弾の「かもめ」、第二弾の「三人姉妹」を観ています。
( 「かもめ」 については2013年9月16日、「三人姉妹」については2015年2月14日のブログをみてね)

演劇少女のお約束のチェーホフですが、chirosukeは「ワーニャ叔父さん」は初めてです。
戯曲も読んでいなければ粗筋も知りませんでした。

chirosukeの感想は・・・
決して解りにくい物語ではないのですが、登場人物の相関関係が理解できたのが1幕目の終わりでした。

ドラマチックな展開はありませんが、現実と理想のギャップに悩み淡々と日々を送る人たちの感情が丁寧に細かく描かれていました。
役者さんは皆巧いです。
ささやかな和解や叶わない恋心、信頼していた人への不信感、絶望、怒り、などがとてもデリケートに表現されているなぁと感じました。
その中でも主人公のワーニャを演じた段田安則さんが素晴らしいです。
後半のワーニャの怒りと絶望にchirosukeはちょっと涙目になりました。

登場人物の心情を丁寧に描き、繊細な感情の動きが演じられます。
人々が現実に向き合ってやり切れない日常を淡々と生きて行く様は、諦めというよりは「耐え忍ぶ」という感じです。
チェーホフのお約束なんだなぁ。

エレーナを演じた宮沢りえちゃんは艶やかでとても美しいです。
派手な見た目よりずっと分別があるのですが、やはり感情を押さえようと自分自身と闘っています。
時折滑稽にさえ見える仕草が笑いを誘っていました。
りえちゃん、かわいいです。

セレブリャーコフを演じた山崎一さん。
決して悪人ではないのだけど、エリート意識に溢れ自信たっぷりで自分勝手、我儘な子供のような性格の年老いた大学教授を見事に表現されていました。
ほんとうに嫌な奴です。
自分ではそのことに気付いていないだけに始末が悪いです。
終盤にキレたワーニャに撃たれればよかったのに、とchirosukeはちょっと心が黒くなりました。

ソーニャ役の黒木華さん、巧いなぁ。
映像では観たことがありますが、生の舞台で観るのは初めてです。
劇のラストで辛い気持ちを吐露するワーニャに優しく語りかけるソーニャの台詞にchirosukeは涙がでました。

「仕方ないわ。生きていかなくちゃ。長い長い昼と夜をどこまでも生きていきましょう。
そしていつかその時が来たら、おとなしく死んでいきましょう。
あちらの世界に行ったら、苦しかったこと、泣いたこと、つらかったことを神様に申し上げましょう。
そうしたら神様はわたしたちを憐れんで下さって、その時こそ明るく、美しい暮らしができるんだわ。
そしてわたしたち、ほっと一息つけるのよ。わたし、信じてるの。
おじさん、泣いてるのね。でももう少しよ。わたしたち一息つけるんだわ…」

絶望⇒忍耐⇒希望とも取れますが、救いが無い・・・チェーホフだなぁ。
ワーニャの絶望と諦め、それでも淡々と日々を生きて行こうとする姿はとても切なくて、やっぱりこの舞台で一番素晴らしかったのは段田さんでありました。

シリーズ完結は「桜の園」です。
キャスト、上演時期等未定ですが、ラネーフスカヤ夫人、ロパーヒンは誰が演じるのでしょうか?
chirosukeはとても楽しみであります。

前へ 過去の投稿

ほうろうって・・・

優しく扱ってあげないと、欠ける、はがれる。
お鍋の取っ手は熱くなる・・・。
お高い・・・。
でも綺麗なんだものっ!!

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。