「クラーナハ展-500年後の誘惑」 国立西洋美術館


%e3%82%af%e3%83%a9%e3%83%bc%e3%83%8a%e3%83%8f%e5%b1%95_1chirosukeは上野の国立西洋美術館で開催されている、「クラーナハ展」に行ってまいりました。

「クラーナハ展―500年後の誘惑」
会期:2016年10月15日(土)~017年1月15日(日)
9時30分~5時30分
※入館は閉館の30分前まで

休館日:月曜日(ただし、2017年1月2日(月)、1月9日(月)は開館)、
2016年12月28日(水)~2017年1月1日(日)
※1月10日(火)は開館します。

入場料:当日1,600円(一般)

http://www.tbs.co.jp/vienna2016/

今年世界遺産に登録された国立西洋美術館であります。
東京都内の世界文化遺産は初めてなんだそうです。

%e3%82%af%e3%83%a9%e3%83%bc%e3%83%8a%e3%83%8f%e5%b1%95_2お天気も良くて、混雑もなくゆっくり観ることができました。
chirosukeは東京に来てから数回この美術館に来ていますが、世界文化遺産になったからといって特に変わったことはないかなぁ。
chirosukeが気付いていないだけかも知れませんが・・・。

フランス人建築家で近代建築の巨匠ル・コルビュジエさんがつくった建築物だということです。
建築には全く疎いchirosukeですが、何となく古い感じの美術館です。
上野公園の入口にあって、駅からもすぐなので行きやすいですね。

クラーナハ展、chirosukeの感想は・・・
美しい女性の絵が妖しくてゾクゾクします。
chirosukeは「ルクレティア」の絵を観たかったのが一番の目的です。

なぜ「ルクレティア」かというと、夏に観た舞台「ビニールの城」の中の台詞で「女性のなかで、もっともふしだらに見えるものは、クラナッハの描いたルクレチアである。」いうのがあったからです。
(舞台「ビニールの城」については2016年8月12日のブログをみてね)

chirosukeはクラーナハの「ルクレティア」を観たことがありましたが、古代 ローマの伝説上の貞女とされ、悲劇的な最期(自害)を遂げるこの美貌の女性を、劇作家:唐十郎さんは「もっともふしだら」だと・・・。
chirosukeは以前観たクラーナハの「ルクレティア」を思い出しましたが「ええっ?そうだっけ?」でありました。

そうこうしているうちに、東京でクラーナハ展が開催されることになり、ようやく「ルクレティア」を再見することができました。
chirosukeが最初に驚いたのは、作者名がルカス・クラーナハ(父) だったこと!
父と子がいたのか?
ウィンナ・ワルツの作曲家ヨハン・シュトラウス(父)みたいなものか・・・!
親子で同じ名前ってややこしい・・・。
chirosukeが知っていたクラーナハは殆どがルカス・クラーナハ(父)の作品でありました。

クラーナハはヴィッテンベルクの宮廷画家として、ドイツ・ルネサンスを代表する画家さんです。
大型の工房を開設して絵画の大量生産を行って商売上手でもあったようです。
宗教改革を進めたマルティン・ルターともお友達でした。
あの時代の人か・・・とようやくchirosukeもわかってきました。
宮廷画家として召し抱えられ、政治活動にも深くかかわり、クオリティを保つための「クラーナハ・ブランド」でお商売、貴族がこっそり楽しむための裸体画を量産したクラーナハさんは、才能あふれるしたたかな画家さんだったとchirosukeは思いました。

クラーナハの作品はほんとうに「妖しい」です。
神話や聖書から着想されたテーマなんですが、裸体画が美しくて妖しすぎ。
なんで裸・・・そしてこの違和感はいったい・・・であります。
これは「日曜美術館」によると「写実ではなく、自分の理想の裸体を描いた」らしいです。
身体のバランスや角度、骨格や手足の長さなどリアリティを無視して描いた裸体像なんですって。
ヴィーナスをはじめとする美しいけど心がざわつくような違和感って、そういうわけだったのかぁ。

ポスターにもなっている「ホロフェルネスの首を持つユディト」は実物は首の切り口まで描いています。
chirosuke、そっちに目が行ってしまい「うえええ!」であります。
美しいけど冷ややかなユディトの醒めた視線が怖いです。

「ロトとその娘たち」にはびっくりのchirosukeです。
神の怒りによって業火に包まれたソドムの街から逃げる時、言いつけに背いて振り返ったが故に、塩の柱にされてしまったロトの妻の話は知っていましたが、一緒に逃げた娘たちがいたのですね。
その娘二人がまたとんでもない驚きの行動を!
旧約聖書恐るべし。

%e3%82%af%e3%83%a9%e3%83%bc%e3%83%8a%e3%83%8f%e5%b1%95_3「子どもたちを祝福するキリスト」
(ルカス・クラーナハ(父、ないし子?) 1540年頃) という絵では、テーマそのものより、描かれた女性の服装に目が行ってしまったchirosukeです。

イエスの評判を聞きつけ、子供を抱いて押し寄せた女性たちを弟子が叱りつけます。
その弟子に憤ったイエスが、「子供たちをわたしのところに来させなさい。妨げてはならない。神の国はこのような者たちのものである。」と言って子供たちひとりひとりに祝福を授けたという絵であります。

中央の赤い服を着た女性の腰のベルトに下げられているのは、シャトレーンのバッグみたいでオシャレ!
シャトレーンとは、18~19世紀頃に流行した装身具なので、キリストがいた時代にもこの絵が描かれた時代にもありえません。
この赤い服の女性がとても裕福な身なりに見えて仕方なかったです。
カミサマは「貧しい人たちの味方」というイメージだったchirosukeですが、貧富に関わらず我が子に祝福をしてほしいと思う親心は変わりないですね。

不信人モノのchirosukeでありますが、すべての人を等しく愛そうとしたイエスさんの心の広さみたいなものを感じました。
と思っていたら、この絵はお友達の宗教改革推進者ルター派のプロパガンダとして描かれたそうです。
ルターは幼児洗礼擁護の論陣を張り、信仰心の規範としての子供の役割を強調するものだったんですって。
やっばりクラーナハ、したたかであります。

そして「ルクレティア」です。
クラーナハは「ルクレティア」を何枚も描いていますが、chirosukeが観たかったのがこの絵です!
舞台「ビニールの城」の台詞に出てきたあの「クラーナハのルクレティア」にchirosukeは数年ぶりに会いました。

裸体をより際立たせるための透明な布。
当時には無かったアイテムを身にまとったアンバランスな魅力の女性は、ふしだらとまでは思えませんが、ただ貞淑で可哀そうな人物ではありませんでした。

神話や伝説の透明なヴェールの向こう側から、時代を超えてこちらを誘惑し、挑発するようなしたたかさとエロティシズムをもった女性像でありました。

%e3%82%af%e3%83%a9%e3%83%bc%e3%83%8a%e3%83%8f%e5%b1%95%e3%83%9d%e3%82%b9%e3%83%88%e3%82%ab%e3%83%bc%e3%83%89お約束のミュージアムショップではポストカードを身請けしました。
図録もほしかったのですが・・・きりがありません。

・ポストカード 1枚 150円(税込)

宗教画の体を成しながら、寓意や風刺に満ちた絵画テーマはとても面白いと思いました。
chirosukeはクラーナハの絵が好きです。
写実的でなく、違和感が心をざわつかせても好きな絵だと感じるのは、クラーナハが「自身が美しいと思う理想の女性」を描いたからだと思います。

クラーナハ展は2017年1月28日(土)~ 4月16日(日)に大阪中之島の国立国際美術館でも開催されます。
500年ぶりの、心がざわつくような裸体画に誘惑されてみるのも良いかも知れません。

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中

ほうろうって・・・

優しく扱ってあげないと、欠ける、はがれる。
お鍋の取っ手は熱くなる・・・。
お高い・・・。
でも綺麗なんだものっ!!

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。