シネマ歌舞伎 「野田版 研辰の討たれ(のだばん とぎたつのうたれ)」


野田版研辰の討たれchirosukeは東銀座の東劇で上映されているシネマ歌舞伎「野田版 研辰の討たれ(のだばん とぎたつのうたれ)」を観てまいりました。

「東劇」では以前にシネマ歌舞伎「三人吉三(さんにんきちさ)」を観ています。
(シネマ歌舞伎「三人吉三(さんにんきちさ)」については2015年7月11日のブログをみてね)

シネマ歌舞伎とは、松竹さんが開発した新しい観劇方法です。
歌舞伎の舞台公演をHD高性能カメラで撮影しスクリーンで上映するというもの。
スクリーンに映し出される「映像美」と「臨場感」は、劇場で生の歌舞伎を観ているかのような感覚になります。
一等席が2万円近くになることもある歌舞伎の本公演は、なかなか敷居が高いですが、すばらしい映像で歌舞伎を2,100円で観られるシネマ歌舞伎は納得できるとchirosukeは思います。

シネマ歌舞伎「野田版 研辰の討たれ」(のだばん とぎたつのうたれ)
作:木村錦花
脚色:平田兼三郎
脚本・演出:野田秀樹

上演年月:2005年(平成17年)5月
上演劇場:歌舞伎座
シネマ歌舞伎公開日:2008年1月12日
上映時間:97分
料金:一般 2,100円(税込)

「配役」
守山辰次:中村 勘三郎
粟津奥方萩の江/姉娘およし:中村 福助
妹娘おみね:中村 扇雀
平井九市郎:市川 染五郎
平井才次郎:中村 勘九郎
からくり人形/番人番五郎:片岡 亀蔵
職人市助:中村 源左衛門
宮田新左衛門/やじ馬の町人:中村 七之助
小平権十郎/やじ馬の町人:中村 獅童
八見伝内/宿屋番頭友七:坂東 彌十郎
町田定助/僧良観:中村 橋之助
平井市郎右衛門:坂東 三津五郎

chirosukeの感想は・・・
すごく良かったです!
歌舞伎でこんなに笑って良いの?と思うくらい面白いです。
chirosukeずっと大笑いしてました。
主役の研辰を演じる中村勘三郎さんが最高です!
動きまわり、走り続け、早口で台詞を喋りまくる演技は、「夢の遊眠社」時代の野田さんを思い出させます。
「テンションアップ!」と劇中で自分に言い聞かせるハイテンションな演技に「研辰」の生き様が見えました。
他の役者さんも素晴らしくて、「歌舞伎役者さんがこんなことやっていいの?」と思うくらい皆さんはっちゃけています。
ドタバタ喜劇のようです。

まさに「野田版」ですね。
天才:野田秀樹と天才:中村勘三郎さんが舞台をやるとこうなるのか・・・!
これを歌舞伎座で演ったのですね。
すごいです。
観たかったです

初演は平成13年8月の納涼歌舞伎で大ヒットだったそうです。
平成17年5月歌舞伎座において、十八代目中村勘三郎襲名披露狂言として再上演された舞台が、今回のシネマ歌舞伎です。

物語は、赤穂浪士討ち入りに沸く江戸から離れた近江の国、粟津藩での道場から始まります。
討ち入りの成功の情報は、粟津藩にも伝えられ、剣術の道場はその話題で持ちきり。
浪士たちを讃え、仇討ちに美徳を求める武士たちのなかで、一人だけ赤穂浪士を馬鹿にする人物、それが勘三郎さん演じる「守山辰次(研辰)」です。

もと町人、研屋あがりの守山辰次は、仇討ちなんて馬鹿馬鹿しい、武士といえども潔い死を望まない武士もいる筈だと言い出し、屁理屈をこねまわした持論を展開します。
ここの勘三郎さんの演技が、もう面白くてたまりません。

とうとう家老の平井市郎右衛門からこっぴどく叱り付けられ、恥をかかされた辰次です。
そして辰次は、密かに家老に仕返しを計画します。
その仕返しがもう、お腹が痛くなるくらい笑っちゃいます。
野田演出・・・素晴らしい!
chirosukeは「飛ぶ鳩もいれば飛ばない鳩もいる」がツボに入り、大笑いです。
からくり人形も・・・すごい!
辰次の言うところの「とても人形とは思えない、しかし人間とも思えません!」

家老をちょっと驚かしてやろうとした仕返しが、思わぬ展開になり「仇討ちされる」側になって逃亡者となってしまった辰次です。
「仇討ちする」側となり、藩を出て辰次を追いかける武士は家老の息子、平井九市郎(市川 染五郎)と平井才次郎(中村 勘九郎)の兄弟です。
辰次に「坊ちゃん1号・坊ちゃん2号」と呼ばれ、丁丁発止の仇討ちが始まります。
アドリブなんだかわからない身内ネタや、歌舞伎ではありえないコメディネタが満載ですが、しっかり歌舞伎なんです。
見事な立ち回り、殺陣の場面が素晴らしいです。

そして物語の終盤、追い詰められた守山辰次の命乞いの場面には泣きます!
今までの、屁理屈をこねて人を煙に巻くような言葉ではありません。
命惜しさになりふり構わず逃げ回ったあげく、研屋に戻って、自分が討たれる刀を研ぐ場面ではchirosuke涙が止まりませんでした。
研辰の往生際の悪さに感動してしまいます。
人間の本質が見えたようで、chirosukeも「辰次、逃げるんだ!坊ちゃん1号も2号も、許してやれよ!」と心の中で叫びましたよ。

「お研ぎします、お研ぎします、わたくし根は研ぎ屋。
侍なんぞになろうと思った私が痴れ者。
研いでおります、研ぎまする。
てめえの研いだ刀で討たれます。生きてえなあ、生きてえなあ・・・・」
一心不乱に刀を研ぐ辰次の姿に、なぜかボロ泣きしてしまいます。

「生きてぇなあ~!」と心の底から発せられる辰次の台詞が、chirosukeの心にもぐっと入ってきました。
辰次の姿が、どうしても志半ば57歳という若さで亡くなられた勘三郎さんと重なってしまい、よけいに涙なしでは観られませんでした。

研辰パンフレットパンフレット 617円(税込) も身請けしました。
初演時の野田さんの思いが綴られていて感慨深いです。

「野田版 研辰の討たれ」素晴らしい舞台でした。
歌舞伎はエンタメなんだと実感です。
「研辰の討たれ」という作品そのものの魅力と、野田秀樹さんの演出が素晴らしいです。
そして役者さんの演技が見事です。
勘三郎さんの演技をじっくり観られたこと、本当に良かったです。

chirosukeは観終わった後、なぜかシェイクスピアの舞台を観たような感覚でした。
マクベスとかヴェニスの商人を思い出しました。

chirosukeが見逃していた素晴らしい舞台、シネマ歌舞伎で体験できるのは嬉しいことです。
「野田版 研辰の討たれ」はDVD&Blu-rayもあります。
身請け必須であります。

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中

ほうろうって・・・

優しく扱ってあげないと、欠ける、はがれる。
お鍋の取っ手は熱くなる・・・。
お高い・・・。
でも綺麗なんだものっ!!

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。