七月大歌舞伎 「一谷嫩軍記 熊谷陣屋(いちのたにふたばぐんき くまがいじんや)・怪談 牡丹燈籠(かいだん ぼたんどうろう)」


kabukiza201507chirosukeは銀座の歌舞伎座に、「七月大歌舞伎」を観に行ってまいりました。

歌舞伎は約一年ぶりであります。
chirosukeが観たのは「夜の部」二本立てです。
坂東 玉三郎さんの「牡丹灯籠」を観たかったchirosukeであります。

2015年7月5(日) 16時30分開演
座席は1等席 2階 東桟敷席 (18,000円)

上演時間
・一谷嫩軍記
 熊谷陣屋 4:30-5:58
 幕間      35分
・怪談 牡丹燈籠 
 第一幕 6:33-7:42
 幕間      15分
 第二幕 7:57-8:59

桟敷席chirosukeは歌舞伎のお約束「筋書き」1,300円を身請けしました。
お話のあらすじ、見どころが書かれています。
歌舞伎に筋書きは必須であります。

そして、今回の席は一等席ですが「桟敷席」です。
初めての桟敷席にちょっと不安だったchirosukeですが、これがなかなか良かったです!
2Fの桟敷席、テーブルがあって掘りごたつ式。
靴を脱いで上がり、畳にお座布団付きの座椅子です。
脱いだ靴は座席の下に置いとけます。

靴を履かない開放感が心地良く、ペットボトルをテーブルに出しておけるし、匂いや音に注意すれば上演中におやつを食すことも可能です。
みつまめや持参のおやつを食されている人もいました。

桟敷テーブル35分の幕間にはchirosukeは身請けしてきた「いなり弁当」をテーブルでゆっくり食せました。
また筋書もじっくり読めます。
テーブルって便利です~。

「特選鶴亀いなり」1,200円(税込)
ややお高めですが、まぁ歌舞伎座価格でありましょう。

歌舞伎座では、幕間にお食事処でお食事できる予約プランもあります。
吉兆の松花堂弁当(お椀、御飯、果物) 6,500円(税込み)
こんな贅沢、一度はしてみたいchirosukeであります・・・。

東桟敷からの眺め2F東桟敷席からの眺めです。
東桟敷なので遠目ですが花道も見えました。

2人ずつの仕切りですが、ひとりでも気になりませんでした。
隣の方とは「新幹線で隣り合わせた人」のような感じです。
椅子座席の隣の人と何ら変わりは有りません。

休憩時間で席を立つ時や、荷物を置く場所などに普通の配慮をすれば良いと思います。
一般的な観劇のマナーを守れればOKでしょうね。
今回chirosukeはひとりで観劇しましたが、二人で観るならより桟敷席は楽しいと思います。

夜の部の演目と配役です。

一、一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)熊谷陣屋

熊谷直実 海老蔵
白毫弥陀六  左團次
相模   芝 雀
堤軍次   九團次
亀井六郎   巳之助
片岡八郎   種之助
伊勢三郎   廣 松
駿河次郎   梅 丸
梶原平次景高  市 蔵
藤の方  魁 春
源義経  梅 玉

◆戦乱の世で武将が下した厳しい決断
源氏の武将熊谷直実が、源氏の武士で有りながら、主君 源義経の思いを汲んで、宿敵である平敦盛の命を救うお話です。
救う、と言っても「首」を差し出さねばならないため、なんと熊谷直実は、後白河院のご落胤である敦盛の身替りとして我が子小次郎を犠牲にしたのですからchirosuke驚き!
主君の為に我が子を身代りにするお話しは、歌舞伎では他にもありますね。
「寺子屋」なんかがそうです。

江戸時代の人たちはこういう話が好きというか、泣けたのでしょう。
世の無常を感じさせる重厚な義太夫狂言の一幕です。

江戸時代ではありませんが、chirosukeも泣けてしまいました。
我が子の首をかき抱く母親の悲しみが伝わって、思わずもらい泣き・・・。
そして苦渋の選択をした父親の心情を思うと、もっと泣けます。
大義の前には、わが子の命さえも犠牲にするのが武士の常とはいえ、我が子を討った悲しみは重いです。
chirosukeは「義経、アンタ鬼やなっ!」と思いましたが、武士をやめて出家をしたいという熊谷直実を許すので、良い人扱いなのですね。

熊谷直実を演じる海老蔵さんが巧いっ!
ラスト花道で演じる有名な台詞。
「十六年は一昔、夢だ・・・夢だ」と涙ながらにわが子の短い人生を嘆くさまは、涙なしでは観られませんでした。

牡丹灯籠二、通し狂言 怪談 牡丹燈籠(かいだんぼたんどうろう)
原作:三遊亭円朝
脚本:大西信行
演出:坂東 玉三郎

第一幕 大川の船
    高座
    新三郎の家
    伴蔵の住居
    高座
    伴蔵の住居
    萩原家の裏手
    新三郎の家
第二幕 高座
    関口屋の店
    笹屋二階座敷
    元の関口屋夜更け

〈第一幕〉         
お峰  玉三郎
伴蔵  中 車
お米  吉 弥
お六  歌女之丞
萩原新三郎   九團次
山本志丈    市 蔵
三遊亭円朝   猿之助
   
〈第二幕〉         
お峰    玉三郎
馬子久蔵  海老蔵
お国    春 猿
定吉    弘太郎
お六    歌女之丞
三遊亭円朝 猿之助
伴蔵    中 車

◆幽霊よりも恐ろしい人間の強欲の深さ
三遊亭円朝の傑作『怪談 牡丹燈籠』は、明治25年(1892)に三世河竹新七の脚色により歌舞伎座で上演され、空前の大当たりとなったそうです。
今回の演目の台本は、昭和49年(1974)年に大西信行氏が文学座のために書き下ろしたものです。
言葉は口語に近く、人物像もより深く掘り下げられた、笑いどころも満載の現代版『怪談 牡丹灯籠』でありました。
歌舞伎というより「演劇」に近くて台詞もとてもわかりやすくで楽しめました。

chirosukeは玉三郎さんのすごく自然な演技に驚きました。
「ふるあめりかに袖はぬらさじ」の時みたいで、どこから見ても「お峰さん」そのものです。
(「ふるあめりかに袖はぬらさじ」については2012年10月21日のブログをみてね)

玉三郎さんの演技の「笑い所」ってすごく良い!
chirosukeもあちこちで笑わせていただきました。

そして、玉三郎さんと息のあった芝居の中車さん。
びっくりしました。
息の合った絶妙な夫婦のやりとり、巧いです!

カラン、コロンという下駄の音を響かせ牡丹燈籠を手に現れる、お露さんとお米さんの二人の幽霊が・・・とても怖いんですが、おかしいんですよぅ。
ひゅ~ドロドロ・・・とお約束の音で登場するたびに客席は大笑い。
怖いのに笑っちゃう。
「新三郎さまぁ~」という幽霊の声色で笑いが取れるなんて・・・。
歌舞伎って楽しいです。

舞台では、幽霊よりも怖い人間の業の世界が展開してゆきます。
幽霊から手に入れた100両を元手に商売に成功し、どんどん羽振りが良くなるほどに、思い上がった鼻持ちならない俗物に成り下がっていく伴蔵を、中車さんはとても人間味たっぷりに演じていました。

原作者である円朝が舞台にも登場して、高座で『牡丹燈籠』を「噺す」という趣向も面白く、こちらは猿之助さんが演じています。
また「熊谷陣屋」では熊谷直実の深く、重い苦渋と悲しみを演じていた海老蔵さんが、牡丹灯籠ではまったく違う役柄です。
ちょっとおツムの弱い三枚目、馬子久蔵を演じていますが、これがまた軽妙で爆笑なんです。
ほっかむりして、頬も鼻も赤く塗って、ヒョコヒョコ歩くんです。
玉三郎さんに、伴蔵の女遊びを白状させられる場面は、もう客席がどっとわきました。
アドリブみたいなギャグをかましつつ、玉三郎さんと会話する海老蔵さんです。
退場の時は「みなさん、サヨナラ~!」と一礼。
拍手喝采でありました。
海老蔵くん、アンタはすごいよ!

「怪談 牡丹灯籠」とても怖くて面白い楽しいお芝居でした!
配役もとても贅沢で楽しめました。
歌舞伎はチケットもお高くて、演目も馴染のないものが多いですがもっと観たいと思います。
江戸時代の人の心も現代の日本人の心も、たいした違いはないんですね。
時代の価値観こそ違いますが、世の無常や儚さに涙するのは同じです。

何百年も前に書かれた演目がずっと演じられていく歌舞伎伝統の技と、時代によって変化しながら続いていく醍醐味、役者さんの演技力に感動してしまったchirosukeでありました。
素晴らしい舞台をありがとうでした。

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ほうろうって・・・

優しく扱ってあげないと、欠ける、はがれる。
お鍋の取っ手は熱くなる・・・。
お高い・・・。
でも綺麗なんだものっ!!

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