文庫 「ナニカアル」 桐野夏生


ナニカアル先週末(6月22日)は急用で関西に日帰り帰省したりで、ちょっとお疲れ気味のchirosukeであります。

久しぶりの桐野夏生さんの長編です。
桐野さんの書く救いのない「毒」はずっしり重くて突き刺さるようでchirosukeは好きなのですが、この本は読むのに時間がかかりました。
正直「一刻も早く続きが読みたい」とは思えず、だらだらと読み続けていた次第です。
chirosukeは数冊を併読することもあり、ついついこの本を置いて別の本に走ったりしました。

どうしたんだchirosukeよ、大好きな桐野夏生じゃないかぁ!!
しかも帯には「読売文学賞」「島清恋愛文学賞」W受賞だぞ。
「桐野夏生の新たな代表作」とPOP付きで平積みだぞ!
そうなんですが・・・chirosukeはこの物語、なんだかどうでもいいや感でありました。

実在した女流作家「林芙美子」の戦時下の秘めた恋愛、激しい烈情を綴った物語です。
しかも、これは桐野さんが取材をしたとはいえ全くの「虚構」です。
いかにも林芙美子が書いたかのように桐野夏生が書いたという二重構造なんですね。
そこが評価されているのかもしれないなぁ。

事実であれ想像であれ、物語は「文字」にしたとたん虚構でありましょう・・・。
chirosukeは「物語」の中に「真実」を見つけるのだと思います。
それは大それたものではなく、ちょっとした共感や安心感、残酷さ、親しみ、笑い、怒りなど人の感情です。

主人公の林芙美子という人物に共感できる部分が殆どなかったです。
共感、理解はできなくとも圧倒的な存在感があれば何らかの感動、衝撃があるはず・・・。
戦時下の切羽詰まった時代に奔放に生きたという林芙美子・・・。
その身勝手な行動や思い上がり、激しさ、必死で生きて書いている様が淡々と書かれているようで、chirosukeは「ふ~ん、そうなのね」という感想であります。

桐野さんのテクニカルメリットはすごいのでしょうが、今回の想像力にもうひとつchirosukeの心が揺れませんでした。
実在の人物をモデルにするという試みの難しさなのでしょうか。
「ナニカアル」、読んでいれば何かが「ナカニアル?」と思い続けて何とか読み終えましたが、残念です。

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中

ほうろうって・・・

優しく扱ってあげないと、欠ける、はがれる。
お鍋の取っ手は熱くなる・・・。
お高い・・・。
でも綺麗なんだものっ!!

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。