加藤健一事務所「ザ・シェルター/寿歌」本多劇場


加藤健一事務所の北村想作品2本立て「「ザ・シェルター/寿歌」」の初日に行ってまいりました!
作/北村想 演出/大杉祐
出演/ 加藤健一 小松和重 ・ 日下由美 
占部房子

下北沢の本多劇場、20数年ぶりです。
1984年開設のこの劇場は80年~90年代の小劇場ブームのメッカで、chirosukeは年に数回、大阪から東京にお芝居を観に来たものでした。
本多劇場でお芝居を観る度、いつか本多劇場の舞台に立つという夢をもっていた演劇少女chirosukeでありました・・・。

今では立派な一般人chirosukeにとって本多劇場はノスタルジーを感じる場所なのですね。
今、1フロアーのみ、キャパ400席に満たないこの劇場を訪れたとき、「小さいなぁ・・・」と感じました。
若い頃、あんなに大きく感じた劇場、新しくおしゃれな雰囲気でいっぱいだったホールや階下のファッションフロアーも、今では時代を感じるように寂れていました。
こんなに時間が経ったんだね・・・。

chirosukeは本多劇場以外でも舞台に立つことは叶わなかったけど、あれからたくさんの舞台を観て、たくさんの劇場に足を運びました。
東京には大きくて新しい劇場がたくさんできました。
そんな経験が本多劇場を小さく、古びれて感じさせているのですね・・・。
舞台に立つことをあきらめた時、自分はずっと演劇を好きでいよう、良い観客でいようと思った昔を思い出して、なんだか少し切なくなってしまったchirosukeでありました。

さてさて、加藤健一さんの舞台初日であります。
初日だけあって関係者さんたちも多く、観客のなかにも「いかにも関係者」という雰囲気の方々がおられました。
客層はとっても年齢が高い!若い人もいるのですが客席を見渡すと白髪頭が多いこと・・・。
シス・カンパニーの「寿歌」は圧倒的に若い人が多かったのですが、対照的だなぁ。

加藤さんの舞台は「ザ・シェルター」も「寿歌」も今までに数回観ているchirosukeです。
「ザ・シェルター」では以前お父さん役を演っていた加藤さんは今回、センジューロー(おじいちゃん役)でした。
たった4人の登場人物のお芝居で狭い空間(核シェルター)でのお話なのですが、役者さんたちの個性がうまくかみ合ってて楽しめました。
加藤健一さんはもう、上手すぎです。
職人です。
時代設定があいまいな部分(台風の話とAKB48等)もありましたが、chirosukeは気になりませんでした。
この家族自体が本当に「生きて」ここにいるのか?と思いましたから。

これは北村想さんの寓話です。
シェルターの故障は本当に故障なんだろうか?本当に核戦争が起きたんじゃないのだろうかと思います。
いえとうに核戦争は起きてしまっていて、この家族の滑稽さはすでにこの世のものではない「家族」=「人類」の残像のようなものではないかと思ったchirosukeです。
外にでたときに孫とおじいちゃんが見る「真っ赤な夕日、空を覆うくらいに飛んでいる夥しい赤とんぼ」はミサイルではないのか・・・。
舞台後方を下手から上手に向かって横切る、レインコートとフードをかぶった人物が良くわかりませんでした。
後半の「寿歌」にもでてきたので、このふたつのお話をつなぐ意味なんだと思いますが・・・。

「寿歌」は素晴らしかったです。
バタくさいゲサクどんは加藤さんのあたり役ですね。
「あのミサイルなぁ、わてが飛ばしたんだ」というゲサクの台詞にはとても重みがありました。
【弾丸受け止めの術】のシーンは笑いました。
加藤さんお得意ですね。
占部房子さん演じるキョウコが気張りすぎ?と思いました。
ちょっと固い感じ。初日だからかなぁ。

後半、ホリゾントをすべてとっぱらって劇場のバックヤードを全開して見せた演出には驚きました。「ザ・シェルター」の舞台装置が瓦礫のようにむき出しになっていました。
ちゃぶ台撤去のタイミングも・・・こういうことかぁ。
二本立ての理由がわかったような気がします。

ラストの雪に埋もれるような吹雪の中、リヤカーを引くゲサクとキョウコの「絵」は心を揺さぶられるほど美しかったです。
その「絵」だけでぽろぽろ泣けてしまったchirosukeでした。
生の舞台でしか体験できない瞬間です。

シス・カンパニーの「寿歌」のラストでは希望を感じたchirosukeでしたが、今回の加藤健一事務所の「寿歌」のラストで感じたのは違った感覚でした。
二本立てという演出なのかも知れませんが、「ザ・シェルター」同様ゲサク・キョウコ・ヤスオの三人もすでに絶滅した人類の「幻影」のように思えました。
懺悔もドタバタも、遅れてしまった「救い」も・・・。
モヘンジョ・ダロもエルサレムも、リヨナもパルタイも、すべては雪に埋もれてしまっているのでしょう。
ラストの「絵」は、だからこそ美しく雪原に映しだされた幻燈のように思えました。
誰がその幻燈を観るのか・・・
本多劇場ノスタルジーも雪に埋もれてしまったようですので、またこれから今の本多劇場に通いたいと思ったchirosukeです。
加藤さん、本多劇場での寿歌上演、ありがとうです!

本多劇場ロビーに貼ってあった加藤健一事務所の今までの公演チラシです。

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お鍋の取っ手は熱くなる・・・。
お高い・・・。
でも綺麗なんだものっ!!

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